そんなの知らなかった…クライマックスシリーズの「新ルール」がもたらした“異様な光景” (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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そんなの知らなかった…クライマックスシリーズの「新ルール」がもたらした“異様な光景”

久保田龍雄dot.
2014年、CS最終ステージ進出を決め、拳を突き合わせる阪神ナイン (c)朝日新聞社

2014年、CS最終ステージ進出を決め、拳を突き合わせる阪神ナイン (c)朝日新聞社

 実は、阪神の“サヨナラ引き分け”の3年前、パリーグでも同様の引き分けによる進出決定があった。11年の最終ステージ、西武vsソフトバンク(福岡ヤフードーム)第3戦である。

 両チーム無得点のまま延長戦に突入した試合は、10回表、西武が中村剛也、フェルナンデスの連続二塁打で勝ち越すが、その裏、ソフトバンクも2死一塁から長谷川勇也が右越えに起死回生の同点二塁打を放ち、1対1。

 そして、12回表、西武は2死一塁で大崎雄太朗が右飛に倒れ、スリーアウトチェンジ。この瞬間、西武の勝ちはなくなり、2勝0敗プラス“1分以上”となったソフトバンクの日本シリーズ進出が確定した。

 直後、一塁ベンチから松中信彦がグラウンドに飛び出し、CS導入後、7度目の挑戦で初の悲願達成の喜びを爆発させた。

 ところが、当時のパ・リーグは、引き分けによる進出が確定しても、その裏の攻撃を行うというルールだったため、松中の行動は、場内大爆笑のフライングに……。

「ルールを知らなかった。あまりにもうれしすぎて……」

 だが、この早とちりパフォーマンスで、ベンチは「引き分けのままでは終われない」と一気に盛り上がる。秋山幸二監督も「絶対に勝って決めようや」とナインを鼓舞。そんな期待に応え、無死一、二塁のチャンスに、同点劇のヒーロー・長谷川が中前にサヨナラタイムリー。日本シリーズ進出に花を添えた。

 パ・リーグが“サヨナラ引き分け”のルールを導入したのは、15年からである。

 雨天中止にしていれば、労せずして最終ステージに進出できたのに、土砂降りの雨の中での試合強行が仇となったのが、17年の阪神。

 10月14日の第1ステージ第1戦(甲子園)で、DeNAを2対0と下し、最終ステージ進出に王手をかけたが、翌15日の第2戦は、試合開始前からザーザー降り。常識的に考えれば、中止のケースである。

 ところが、「午後5時まで降雨量は小康状態」という情報をもとに、午後2時開始予定の試合を1時間遅らせて強行することになった。

 なぜ雨が上がる見通しもないのに、こんな決定がなされたのか?実は、翌16日も悪天候で中止が濃厚だった。18日から広島との最終ステージが始まるのに、予備日は17日しかなく、その場合、規定により、2戦で打ち切りとなる。



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