中日が松坂大輔を獲得すべきではない“三つの理由” (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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中日が松坂大輔を獲得すべきではない“三つの理由”

西尾典文dot.
ソフトバンク時代の松坂大輔 (c)朝日新聞社

ソフトバンク時代の松坂大輔 (c)朝日新聞社

 2011年にトミー・ジョン手術(ひじの側副靱帯再建手術)を受け、2015年にも肩を手術するなど故障との戦いが続いているが、それ以上に問題なのが崩れてしまったピッチングフォームだ。横浜高校や西武で投げていたころは下半身でしっかりリードして上から豪快に振り下ろす素晴らしいフォームだったが、メジャーリーグに移籍したころから徐々に崩れていくこととなる。

 レッドソックスで結果を残していた時期でも明らかにステップの幅が狭くなっており、トミー・ジョン手術を受けた後のメッツ時代はひじが完全に下がり、そこから速いボールを投げようとして肩を横に振る動きが大きくなり、サイドスローと言っても良いほどに変化していた。その傾向は日本復帰後も変わっておらず、小手先でコントロールしようとしているように見える。故障によってスピードが失われても技巧派に転身して復活する投手もいるが、そのような兆しも見られないのが現状である。

 簡単にまとめると若返りが必要なチームである中日が、故障から復帰の難しい、フォームを崩したベテラン投手を獲得するメリットはないということになる。しかし、それでも松坂の復活を期待する声が大きいのも事実である。横浜高校時代の劇的な春夏連覇、鮮烈なプロデビュー、侍ジャパンを世界一に導き、メジャーでもワールドシリーズ優勝を果たした実績はいまだに色あせるものではない。

 かつての輝きを取り戻すことは極めて難しい。だが、そんな松坂に復帰に向けておすすめしたい方法がある。それが国内の独立リーグでプレーして、しっかり投げられることを証明してNPB球団(プロ野球12球団)にアピールすることである。

 米国では、戦力外となったベテラン選手が独立リーグでプレーしてメジャー復帰を目指すことは珍しいことではなく、日本でも松坂と同学年である藤川球児が2015年に四国アイランドリーグplusの高知でプレーして結果を残し、翌年から古巣の阪神に復帰したという事例もある。四国アイランドリーグ、BCリーグであればNPB球団との試合の機会も多く、復活の判断もしやすい。独立リーグでプレーする若手選手にとっても松坂と一緒にプレーできるということは大きなメリットである。

 NPB球団にこだわるというのもひとつの美学だが、無名の若手選手たちとともに汗を流し、地方球場でプレーしながらNPB復帰を目指す姿もぜひ見てみたい。そう考えるファンは決して少なくはないだろう。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている


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