続行の可能性があるとすれば、一部で言われている“若手中心チームのリーダー役”よりも、来年早い段階で故障者が出た場合の穴埋めではないか。例えばコンディションの怪しい外野手がいるチーム、あるいはキャンプ開始直後にでも外野陣がケガに見舞われたチームから、マイナー契約を含めて声がかかることは十分に考えられる。故障した選手が復帰次第すぐに立場が危うくなるという厳しい条件だが、それでもチャンスはあるはずだ。問題は、そこまで待つほどアメリカに固執するのかどうか。

 少なくとも現時点ではっきりしているのは、イチローの去就決定にはまだかなり時間がかかるだろうということ。越年はほぼ確実で、アメリカでのプレーにこだわるなら2~3月まで持ち越しもあり得る。メジャーでの現役続行を熱望するファンは、その願いが叶わなくなる可能性を頭に入れつつ、長い目で朗報を待つ心構えが必要になりそうだ。(文・杉浦大介)