事例の一家も、お子さん2人がこれから大学に入るのでまとまった資金が必要になる。月々の収支で赤字をなくして、少しでも多く貯金を増やすというのが、家計を見直すテーマでした。

 そこで、実践してもらったのは、まず1カ月の間、買い物のレシートをとりおき、支出を把握すること。貯金ができないメタボ家計に共通しているのは、「食費」がかかりすぎていることです。

 この一家も、1カ月で10万円もかかっていました。水道光熱費、通信費、生命保険料、自動車関連費などにも、お金がかかりすぎていました。

■生活スタイルが変わるので家族での話し合いが大事

 支出から“コストカット”したポイントをみてみましょう。

 まず、「住居費」。目安は月収の25%といわれているので、月11万2000円という金額は適正な範囲といえます。マイナス金利の今は、住宅ローンの金利が低くなっていますので、金利差が1%程度、残債1000万円以上、返済期間が10年以上残っている場合は、借り換えを検討してもいいでしょう。

「食費」を抑えるコツは意外と簡単で、高級食材やデパ地下のお総菜など、高額な買い物を控えるだけでもかなり効果が出ます。食費が高い人には、毎日その日に食べたい物を家族に聞いて、毎日スーパーに買い物に行っているケースをよく見かけます。一度に支払う金額は少なくても、つい余計なものまで買ってしまう。うまくやりくりしている人は、週に一度、まとめ買いをして、足りないものを買い足す。買い物に行く回数は1週間で2?3回程度で済ませています。この一家も、買い物の頻度を見直すとともに、予算を決めました。

 月3万円少ない7万円と設定したら、それを5週分に分けて、1週間1万4000円でやりくりする。週単位で予算を管理するのがポイントです。

 仮に3000円余ったら翌週に繰り越してもいいし、ごほうびで外食してもいい。反対に3000円オーバーしてしまったら、翌週は1万1000円でやりくりをする。そういうルールを決めて行動に移したことで、1カ月7万円の範囲内で収まりました。「日用品」も予算を決めて、ドラッグストアなどでの買いすぎに注意しました。

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