【誤解その3】歯肉からの出血はよくあること。放っておけば治る
<正解 歯肉の炎症が原因で歯周病の可能性大。すぐ歯科医院へ!>

「ブラッシングのたびに歯肉から出血するが、放っておけば治るから大丈夫」と軽視している人は多いのではないでしょうか? しかし歯肉からの出血は、歯周病の初期症状である可能性が高いのです。

 初期には歯肉が少し腫れる、何となくむずがゆいといった症状が出ていることも多いのですが、出血のようにはっきりした症状ではないので、ほとんどの人は気づきません。歯周病は「サイレント・ディジーズ」と言われ、気づかないうちに歯肉の内側の見えないところで歯を支える骨などがジワジワと破壊される病気です。

 患者さん自身が気がつきやすい歯肉からの出血は、歯周病を早期発見・治療するチャンスなのです。

【誤解その4】歯周病予防は中高年になってからやればいい
<正解 小学生でも歯周病になる。早くから歯科医院に通いケアを>

 歯周病はかつて歯槽膿漏と呼ばれていた頃のイメージで、「高齢者の病気」と捉えられることも多いようです。

 しかし、若者が歯周病にならないわけではありません。厚生労働省が2011年におこなった「歯科疾患実態調査」によると、すでに15.9歳で4.5%、20代は約14%、30代になると5人に1人が歯周病になっています。また歯周病の中でもとくに重症化しやすいタイプの「侵襲性歯周炎」は「若年性歯周炎」ともいわれ、10代20代で発症します。

 将来、歯がボロボロになって後悔しないように、若いうちからむし歯予防だけでなく歯周病予防も始めましょう。

【誤解その5】むし歯がないのに歯周病になるわけがない
<正解 むし歯がなくても発症する。むしろむし歯がない人ほど注意を>

 世の中には、むし歯がほとんどないという人がいます。Aさん(46歳)もその一人。昔からむし歯がないことが自慢でしたが、あるとき「下の前歯が1本、突然抜けてしまった」と、受診してきました。丈夫そうな歯が並び、一見問題なさそうなのですが、土台部分の骨はかなり溶けていて、抜けた原因が歯周病であることは明らかでした。むし歯も歯周病も、もともとの原因は細菌感染ですが、細菌の種類は異なるため、むし歯になりにくいからといって歯周病にもなりにくいなどということはありません。

 若い頃からむし歯に悩む人は比較的自分の歯を気にかける傾向が高いため、歯科医院に定期的に通院し、意外と歯周病になりにくい場合が多いのです。