8月も終盤。まもなく9月だというのに、暑い。
名古屋市では今年33日目の猛暑日を記録する(8月27日時点)など、西日本を中心に厳しい暑さが続いているが、東京の暑さも引けを取らない。汗だくになりながら電車に駆け込むと、同じく汗だくになった人たちが押し合いへし合い……。そこでふと思ったのが、鉄道各社はこの猛暑への対策、つまり車内の空調管理や車内温度設定をどのように調整しているのだろうか。都内の主要鉄道事業者に取材をすると、路線ごとに大きな差があることがわかった。
■普通車の温度は平均26度 都営大江戸線は…
夏場になると、冷房をきかせた車両の他に、温度を高めに設定した「弱冷房車」が登場するのはご存知の方も多いはず。では、普通車両と弱冷房車の温度差はどのくらいなのか。今回、JR東日本、京王電鉄、小田急電鉄、西武電鉄、東武電鉄、東京メトロ、都営地下鉄の車内冷房温度を調査した。
普通車の温度設定からみていこう。
まず、京王、小田急、西武、東武、東京メトロは、夏場は26度に設定。JR東日本は山手線に限り25度でそれ以外は26度。都営地下鉄は大江戸線を除き25度という回答だった。一方、弱冷房車については概ね28度と回答(山手線は27度、都営地下鉄は大江戸線を除く)。なぜその温度に設定しているのか尋ねると、「空調機メーカーの推奨温度」(小田急)、「旅客車の環境改善研究会の提案温度」(京王)など、理由はそれぞれだった。
毎年4月中旬ごろからSNS上では「電車が暑すぎる」といった声が散見される。冷房を稼働する時期について都営地下鉄は「4月1日から」と回答。しかし、乗務員判断で稼働を早める場合もあるとしている。その他の鉄道事業者も乗務員判断のため、明確な時期は決まっていないとした。
温度管理についてはどの路線も「設定温度になるよう自動調整されている」と答えたが、「混雑度合いや気温に応じ、乗務員判断でプラスマイナス3度まで調整している」(東京メトロ)といった回答もあった。