まもなく2017年も終わり、新年を迎える。2018年は平成30年の戌(いぬ)年、正確に言えば戊戌(つちのえ いぬ)である。日本では、お正月は何よりも盛大に行われる行事といってよい。ところでこの「お正月」ではいったい何を祝っているのだろう?
●お正月の用意は何のため?
慣例的に、お正月前には家屋の大掃除をし、注連(しめ)飾りや門松、鏡餅などを飾って、神社仏閣に初詣に出かける、というスタイルが多くなっている。12月31日まで働いていても1月3日まではお休みという人も多いのではないだろうか。
だがいったい、しめ飾りや門松、鏡餅は何のために必要なのか。
実は大半の日本人はすっかり忘れているが、すべては「神さま」をわが家へ招くための用意なのである。
●お正月に訪ねてくる神さま
この「神さま」、お名前を年神(としがみ)や歳神、あるいは恵方神などといい(ほか地方によって呼び名は様々)、1年に1度お正月に各家にやってくる。
この神さまも他と同様、様々なものと習合していて、たとえばご先祖さまの霊や山の神、海の神、田の神、食べ物の神など、またその土地柄や仏教などとも絡まって必要な神徳(御利益)を集めてもってきてくれるありがたい神である。
●門松と神さまの関係は
大きな家やビル、マンションなどの玄関先にはほとんど飾られている門松だが、昨今では「松」ではなく「竹」ではないか、というほど竹の方が存在感たっぷりの趣で、イメージ的には門竹になっている感もある。もともと「松」は「祭る」ということばつながりで、「この家屋では年神さまの居場所を祭ってありますよ」という目印として置いてあるものだ。余談であるが、竹がこの中に入ったのは、江戸時代、徳川家康の頃かららしい。家康(松平)の武田信玄(竹)に対するリベンジを示したものだとも聞く。七福神といい、七五三といい、家康が現代日本の慣習に与えた影響は大変大きいことがわかる。
なお「松」が「待つ」につながるのを嫌い違うものを使う地方もあることは付け加えておきたい。