みんなで和気あいあいの場のはずなのに、ポツンと話の輪から取り残されてしまったとき、つらいですよね。「もう帰りたい」と切なくなるし、難易度の高いシチュエーションです。生来の人見知りで「緊張しい」だという人気ラジオDJの秀島史香さんが、20年の経験の中で培ったコミュニケーション術に、「あの人を呼びたい」「あの人に仲間に入ってほしい」と思われる人になる、大勢が集まる場の雰囲気づくりがあります。自著『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』で明かしてくれた、その方法をご紹介します。

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 私がしている声の仕事のひとつにナレーションがあります。ナレーションは収録後の映像を見て声をつけていくので、番組の出演者とお会いせずに仕事が終わることがほとんどです。その番組の打ち上げに呼んでいただくこともあるのですが、ひとりだけ立場が違うので、自分だけが話題についていけないこともよくあります。

 そういう場で「素敵だな」と思うのは、「で、あなたは?」と声をかけ、話の輪になじませてくれる人。大勢の集まりでは自分の振る舞いで精一杯になりがちですが、そんな中でも、ひとりひとりにまで気配りできる人を見ると、優しいなと思います。

 グループでの会話は、大皿料理のようなもの。みんながそれぞれの料理を楽しめるようにバランスが大切です。つい、自分の好物(詳しい、得意な話題)が出てきた瞬間、「それきた!」と根こそぎ全部持っていってしまいそうになること、たまにありますよね。そうなってしまいそうな時、どうすればいいのでしょう。

 その話題に詳しいほど、他の人よりも余裕があるわけですから、「私、こんなに知っています」とスタンドプレーに走るのではなく、その余力を他の人たちにまわしてみましょう。

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