糖尿病の患者は予備軍も含めて2千万人以上いると推測されている。しかも、長くつき合っていかなければならない病気だからこそ、正しい知識と新しい情報を知っておきたいものだ。週刊朝日MOOK「おいしい暮らしの相談室 糖尿病&高血圧」では、「ドクターが語る 知っておきたい11のこと」として糖尿病が引き起こす合併症など分析。ここでは外食やコンビニ食で気をつけることを、武蔵野赤十字病院医療技術部の原純也さんが解説する。
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外食や市販されている弁当は、一般に炭水化物や脂質(揚げ物など)が多いのでカロリーが高めで味が濃い(=塩分が高い)といった傾向があり、糖尿病患者向きの食事とは言い難いものです。医師や栄養士から「できるだけ避けるように」と指導される場合も多いですが、こうした食生活を続けてきた背景には、一人暮らしや、調理が苦手、仕事が忙しいといった何らかの理由があるので、無理に変えようとしても結局、長続きしません。
そこで外食・弁当派の人はまず、外食メニューや弁当の包装に記載されている「エネルギー表示」の確認を心がけてみてください。
たとえばカツカレーと野菜弁当があったとしたら、両者のエネルギー表示を見比べることで「カツカレーのほうが300キロカロリーくらい高い」などと認識できます。「だから絶対食べてはダメ」ということではなく、すごくおなかがすいているときやどうしても食べたい気分のときは食べていい。その日カツカレーを選んだとしたら、翌日弁当を買いに行ったときに「前日ガッツリ食べたぶん、カロリー少なめのものを選ぼう」などと、調整すればいいのです。何げなく目についたものやその時食べたいものを漫然と選ぶのではなく、自分で足し算引き算をしてコントロールできるようになることが目標です。