中でも今回の都議選で深手を負って党勢回復の見込みが立たない民進党議員の一部が小池詣でを始めている。自民党でも、小池新党に対立候補を立てられるくらいなら自分が鞍替えしてしまおうと考える議員が出るかもしれない。これは、陰りの見える安倍人気がどれくらい落ちるかにかかっている。
いずれにしても、小池新党は、維新や共産党を上回る勢力になる可能性は十分にある。しかし、小池氏自身が立候補しない限り、そう簡単に野党第一党まで躍進するのは難しい。橋下徹氏の人気がどんなに高くても、やはり、本人が出て、首相を狙うと言わなければ、盛り上がりに限界があったのと同じである。
■真の改革政党を望む有権者
都民ファースト躍進の原動力はもちろん小池人気だ。では、その小池人気を支えているのは何かと言うと、「改革」を望む有権者の強い期待である。
しかし、「改革」という言葉は、ほとんどの政党が使っている。自民党も古くから「改革」を標榜しているし、民主党も09年の政権奪取時には「改革政党」をアピールした。しかし、その民主党もあっという間に利権政党に堕し、今や、民進党を改革政党だと信じる有権者は激減している。
一方、2大政党への不信と改革への熱望は、09年以降、みんなの党と大阪維新の会への支持として受け継がれてきた。しかし、みんなは内部崩壊し、維新は、石原慎太郎氏や守旧派とみられる片山虎之助氏らとの合流、議員や首長の品のなさ、橋下氏らの慰安婦発言などの超タカ派的言動で、改革政党としてよりも、反動保守の政党だという認識の方が広まってしまった。
こうして、「改革」を求める有権者の期待を担える政党がほぼ壊滅したところで現れたのが小池百合子氏だったというわけだ。小池氏が、昨年の都知事選で無党派層の票を右から左まで満遍なく集めて大勝利したのは、安保や原発という国政のテーマを避けて、「改革」だけを訴えたからだ。
■小池都知事は本当に改革派か
では、小池都知事は、有権者が望む真の改革派なのだろうか。その真価が問われるのはこれからだ。
ただ、過去の彼女の国政における実績を見ると、決して改革派というイメージは湧いてこない。