ロケ地ランキング(1~17位) ウェブサイト「全国ロケ地ガイド」に掲載されている2016年までに放送されたテレビドラマ、映画のロケ地から集計した
ロケ地ランキング(1~17位) ウェブサイト「全国ロケ地ガイド」に掲載されている2016年までに放送されたテレビドラマ、映画のロケ地から集計した
ロケ地ランキング(17~36位) ウェブサイト「全国ロケ地ガイド」に掲載されている2016年までに放送されたテレビドラマ、映画のロケ地から集計した
ロケ地ランキング(17~36位) ウェブサイト「全国ロケ地ガイド」に掲載されている2016年までに放送されたテレビドラマ、映画のロケ地から集計した
ロケ地ランキング(37~44位) ウェブサイト「全国ロケ地ガイド」に掲載されている2016年までに放送されたテレビドラマ、映画のロケ地から集計した
ロケ地ランキング(37~44位) ウェブサイト「全国ロケ地ガイド」に掲載されている2016年までに放送されたテレビドラマ、映画のロケ地から集計した
主なドラマ、映画に登場したキャンパス ウェブサイト「全国ロケ地ガイド」に掲載されている2016年までに放送されたテレビドラマ、映画のロケ地より抜粋
主なドラマ、映画に登場したキャンパス ウェブサイト「全国ロケ地ガイド」に掲載されている2016年までに放送されたテレビドラマ、映画のロケ地より抜粋

『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)を見ていた立正大の学生は、あるシーンに登場した建物に釘付けになった。「これ、うちの大学では?」。さっそくツイッターで自慢したという。テレビドラマや映画のロケ地に登場するキャンパスが増えている。「大学ランキング2018」(朝日新聞出版)では、撮影に使われた大学を集計してランキングを作った。そのデータを読み解いてみたい。

【ロケ地ランキング17位以降はこちら】

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 1位の共立女子大、2位の埼玉県立大は、高視聴率ドラマのロケ地になった。

 両校が選ばれる理由として、(1)建物の外観が個性的(歴史を感じさせる古いつくり、または斬新なデザイン)、(2)緑が多い、(3)都心から離れていない、(4)ロケバスを止める駐車スペースがある、(5)大学の協力が得られる、などがある。

 埼玉県立大には全面ガラス張りの建物がある。ドラマ『相棒 シーズン7』では「国立微生物研究所」として使われた。寺脇康文が演じる「亀山薫」の最後の出演となった回である。同大学はドラマの担当プロデューサーから人気があるようで、これまで『ドクターX』『医龍』『警視庁捜査一課9係』『BOSS』などに登場している。なお『相棒』はほかに、埼玉大、駿河台大、武蔵大、武蔵野美術大、目白大などで撮影が行われている。

 10位の恵泉女学園大で『ROOKIES』の撮影があったときのこと。たまたま東北地方から大学見学に来ていた高校生がいた。大学がその話を番組制作スタッフに話したところ、その高校生をエキストラとして出演させたという。そんな粋なはからいもあった。

 大学はロケ地として使われることに大きなメリットを感じている。『相棒』『臨場』『ROOKIES』『華麗なる一族』などに使われた武蔵大の広報関係者は次のように話す。

「オープンキャンパスなどのイベントで受験生にロケ地になったことを話すと反応もよく、本学に親しみを持っていただくきっかけとなっている。最近は在学生や卒業生を中心にSNS経由で情報が拡散されるため、知名度向上やイメージアップにつながり、いいPRになっています」

 12位の一橋大は、『ガリレオ』で福山雅治演じる主人公「湯川学」が勤める大学として使われた。大学はウェブサイトでこう記す。「本学では、教育・研究の妨げにならない範囲(時間・場所等)で、かつ本学の有効な広報となると判断されるものについて、撮影を許可しています」

 最近では、創価大がロケ地協力を積極的にアピールしている。大学のウェブサイトには、撮影場所や出演者までかなり細かく掲載した。帝京大はウェブサイトで、次のように視聴を呼びかけていた。

「2016年6月 日本テレビ系列ドラマ『ゆとりですがなにか 第9話・第10話』の撮影が、八王子キャンパスで行われました。 柳楽優弥さん、北村匠海さんなどのキャストや関係者が来校し、9号館や、メディアライブラリーセンター内のメディアラウンジなどが、ドラマの舞台として使用されました。第10話は来週放送です。是非ご覧ください」

 とはいえ、大学は撮影を何でも許可しているわけではない。大学の名誉を傷つけるようなストーリー、公序良俗に反するテーマや、殺人など残酷なシーンが多い内容については断るケースがある。

 ロケ地使用は、大学教育、研究の中身とは何ら関係ない。それでも大学教職員や学生にとっては素直にうれしいし、帰属意識が高まる。話題の人気ドラマならば愛校心をかき立てるのに十分だ。大学はずいぶん協力的になった。(教育ジャーナリスト・小林哲夫