このとき、少なくとも「2014年5月24日(土)にオープン」という情報は、真っ先に飛びつくような項目ではありません。むしろ、最低限必要な情報として、リリースのどこかに当然載っているはずだと、誰もがわかっていることですから、冒頭に書いて、わざわざ勢いこんで知らせてくれなくてもいいのに、という内容です。
「商品・サービスについて知らせるための最低限の情報」で見出しのキャッチコピーのほとんどを占めているプレスリリースは相当数ありますが、そういうリリースは素通りされてしまいます。本当にもったいない話です。
プレスリリースは、その商品やサービスについてまったく知らない人に向けて、いかに興味を持たせるかが勝負です。その視点で、どのキーワードを前面に出すべきか考えていきましょう。
池袋にある金剛寺の場合、「お寺にカフェができて、運が良ければお坊さんが人生相談にも乗ってくれるかもしれない」ということや、「地域のコミュニケーションを深める目的の寺カフェ」ということを伝えることなどがアピールポイントになります。
そこでできたキャッチコピーが次の2行です。
「お坊さんと一緒にコーヒーが楽しめる!」
「人々のご縁を結ぶコミュニティスペース」
この2行を特に強調することが、読んだ人が最も興味を示してくれるだろうと考え、目立つようにしました。
とはいえ、いざ自分でつくってみようとすると、すんなりキャッチコピーに落とし込めないという人は少なくないでしょう。
そこでご紹介したいのが、できあがったキャッチコピーが目を引くものであるかどうかを客観的に判断できる方法です。それは、「登場感があるか」「なぜ今なのか」「メッセージ性があるか」という三つの視点で自分がつくったキャッチコピーを見直していく方法です。
【1】登場感があるか
「ついに、登場しました!」という印象がキャッチコピーに表れているとインパクトに直結します。見た人が「待ってました!」「すごい! こういうのが欲しかったの!」と思わず言いたくなるような表現です。
この商品やサービスは、どうも存在感が違う、何か気になる、つい話題にしたくなる。そうした登場感を、メディアや消費者が最初に目にするタイミングでいかに演出できるかが、PRではキモになってきます。
ただし、演出といっても、事実ではない情報を意図的に加えたり、消費者を間違った方向に誘導することではありませんので、そこは注意してください。
【2】なぜ、今なのか
どんなメディアも、「旬な情報」をイチ早くキャッチしてニュースにしたいと考えています。だからこそ、PRする側は、「なぜ、今、この商品やサービスを世の中に出すのか」を明確にアピールすることが重要なのです。