たとえば先述の池袋にある金剛院の場合、「人々のご縁を結ぶコミュニティスペース」というキャッチコピーで打ち出しましたが、取材を受けた際に、より関心を持たれて記事化された内容は「近年深刻化する少子高齢化、単身時代にあって、独居高齢者が増え、親子や世代間のコミュニケーションが不足し、ご近所づきあいも減少する中で起こるさまざまな地域問題を解決したい」というところでした。
つまり、「単にカフェをつくったのではない。今の時代だからこそ、コミュニケーションが不足し、孤立感を高めている人が増えているからこそ、必要なカフェなのだ」という点が共感を呼んだのです。
【3】メッセージ性があるか
メッセージ性とは、よりメディア、特に一般の人々のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にアピールするため、世の中に訴えたいこと、伝えたい背景などを明確にすることです。
たとえば、猫の島を知っていますか。日本には、野良猫がたくさんいるエリアがいくつもあります。特に有名なのが、瀬戸内海に浮かぶ青島です。島民15人に対し、猫100匹と言われるほど、猫だらけの島。これが、外国人の間でSNSを通じて瞬く間に広がり、外国人観光客にとって一度は訪れたい世界の島の一つに挙がるほどになったのです。
島は過疎化が進んでいます。猫がたくさんいることをアピールすると、同時に、猫たちと共存している島民のいも伝えることにもなります。こうしたメッセージ性がさらに人々の共感を生み、SNS上に広がっていくのです。
なぜ、その商品・サービスを届けたいのか、その商品・サービスを通じて何を届けたいのかという、背後にあるメッセージを、短いキャッチコピーから読み取ってもらえるように、そして心を揺さぶるものになるように、考えてください。
以上が、プレスリリースを強くする、シンプルなキャッチコピーのつくり方です。
プレスリリースによるPRは少ない費用でトライできる分、いくらでもやり直しがきくのです。一度投げた球が失敗だと感じたら、新たな視点でアピールできないか考えればいいだけです。
あなたがこれからPRしようとしている商品・サービスも、最初から思うような反響がなかったとしても大丈夫です。強みとなるキーワードは明確なわけですから、そのうちのどれをプッシュするか、あるいは組み合わせるかを考え、情報をブラッシュアップしましょう。そうして再トライすれば、バズるチャンスはまだまだあるのです。