ソフトバンクはケガから復帰の柳田悠岐が起爆剤になれるか。 (c)朝日新聞社
ソフトバンクはケガから復帰の柳田悠岐が起爆剤になれるか。 (c)朝日新聞社
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 セ・パのレギュラーシーズン全日程が終了し、8日からはクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが始まる。パ・リーグでは、まさかの失速で優勝を逃したソフトバンクに、過去5度ともCSファーストステージを突破しているロッテが真っ向勝負を挑む。リーグ覇者日本ハムへの挑戦権を得るのはどちらか。

 今季の両チームの対戦成績は、ソフトバンクが16勝8敗1分けと大きくリード。しかし、8月以降はソフトバンクの5勝4敗とその差は一気に縮まっている。これがCSの舞台でどうなるか。

 ロッテの先発は、石川歩(今季14勝5敗、防御率2.16)と涌井秀章(同10勝7敗、防御率3.01)の2枚看板が強み。3戦目には唐川侑己(同6勝6敗、防御率2.84)やスタンリッジ(同8勝8敗、防御率3.56)が控えるが、理想としては2連勝で勝ち抜きたいところだ。ただ、今季のソフトバンク戦の成績を見ると、石川が4試合で1勝3敗、防御率3.95。涌井も8試合で2勝2敗、防御率3.60と数字を落とす。さらに敵地・ヤフオクドームに限定すると、石川が2試合で0勝2敗、防御率8.18、涌井も3試合で1勝0敗、防御率5.49とさらに悪化。このダブルエースが崩れれば勝ち目は薄くなる。

 打線では、4番・デスパイネが大きなカギを握るだろう。9月に左手首痛を訴えて万全ではないが、今季のヤフオクドーム11試合で打率.311、8本塁打、14打点と好成績を残した主砲の活躍なしには“下克上”は難しい。同じく助っ人のナバーロもキーマンの一人。怠慢プレーなどで評価を落としたが、CSで汚名返上したいところだ。首位打者に輝いた角中勝也を始め、打線は粘り強く、何より選手とファンの間には“下克上”への意識が根付いており、チーム一丸でモチベーションは高い。

 一方、ソフトバンクで最も心配されるのが、その気持ちの部分だ。最大11.5ゲーム差を日本ハムに逆転されたショックは大きく、工藤公康監督への不満も蓄積されている。指揮官が笛吹けども踊らない状況だと、あっさりと連敗してしまうことも考えられる。

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