物件を比較するときは「見積比較表」を出してもらおう。たとえば敷金・礼金がゼロでも、その他の費用で結局割高になることもある
物件を比較するときは「見積比較表」を出してもらおう。たとえば敷金・礼金がゼロでも、その他の費用で結局割高になることもある
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 引っ越せば部屋もキレイになって、遅刻もしなくなる。料理もできるようになって、彼氏だってできる。そんな幻想を抱いたアラサー女子が、実際に引っ越すまでの顛末(てんまつ)をシリーズでお届けする。“部屋探し編”に続く第2弾は“不動産業者”について。果たして無事に部屋は決まるのか?

実録・アラサー女子の引っ越し事情 <失恋続きの部屋探し編>よりつづく

*  *  *

 その不動産会社には、私が苦手とする「チャラい」を体現するかのような男性ばかりがそろっていた。人を外見で判断してはいけないと思ったが、接客もすごい。「爺やがいいお部屋をどんどん出していきますから、お姫様は『これはダメ』『気に入らな~い』と捨てていってくださいね」と、私より一回りは若そうな担当者に言われて言葉を失う。その後も思考停止状態の私をよそに、「うわぁ~店長、この物件マジいいです!」「うわっ、これすごいね!」「お姫様、見たいですか?」など、エンターテイメントが止まらない。

 彼らの寸劇に引いたわけではないが、爺やが「マジいい」と勧めてきた物件はひと通りお断りして、もともと内見を希望していた物件だけをみ見せてもらうことにした。現地に向かう車内で爺やと話すうちに、同郷であることが判明。警戒心と緊張感が若干薄らいだ。

 内見した部屋は改装したばかりだそうで、中はかなりきれいだった。追い焚きができ、キッチンも広めで、設備のわりに家賃が安い。この物件が運命の人かもという気がした。外観は古いけれど、やはり人間と同じで大事なのは中身でしょうと仮契約を決めた。

 仮契約の申し込みをした時点で、申込金(預かり金)を請求された。申込金を支払えば一番手として物件を確保できるという。金額は家賃1カ月分ほどだ。申込金は本契約の際には総請求額から差し引かれ、契約不成立の場合は返却される。ただし、業者によっては返却を渋るところもあるそうなので要注意。必ず「預かり証」を発行してもらおう。

 2週間ほどして、入居審査に通ったと連絡が来た。これから本契約というところで、私の心に迷いが。実はこの2週間のうちに、もっと条件がよさそうな物件に出会ってしまったのだ。本当にこの人(物件)でいいのだろうかと、いわばマリッジブルーのような心情に陥る私。ここは誠実にいこうと、実は他に気になる人がいると爺やに打ち明けてみた。どの物件か聞かれて答えたら、「問い合わせてみたんですが、いま住宅情報サイトに掲載されている家賃よりも実際は5千円上がっていますよ」と教えられる。

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