
人は愛を紡ぎ生きた証しを今に残す。そして次の世代へとつないでいく――。
人と人が愛し合う、そして結ばれる。そんな結婚を、恋愛を、今、避けている20代、30代男女が多いという。恋愛に臆病なのではない。ただ彼、彼女らは異性とどう出会えばいいのか。そして、付き合えばいいのか。それがわからないのだ。そこには自分よりも他人を傷つけやしないかという胸の内がある。
「彼女ですか? 出来ないですよ。1年先も、5年先も、10年先も。寂しいですよ。でも、自分の嫌な面を本当に好きな人にはやはり見せられないです。それで好きな人が傷つくのが何よりも辛いからです。だから彼女は作らないのです。できないのです!」
今年、30歳になる男性は恋愛に積極的になれない事情をこう話していた。高校は地元の進学校や大学、大学院、共に有名校の出身で部活は体育会、ジャニーズ系のルックス、育ちの良さがわかる身のこなし、大手企業勤務のエリート――と、その非の打ちどころのない経歴だけでも女性が放っておかないような彼だが、これまで恋愛の経験はまったくないという。