その中日が今、おかしなことになっている。新陳代謝しなければいけない時期なのに、戦力外通告を受け、チームを辞めているのは若い選手ばかりである(以下の年齢は2014年の満年齢)。
投手……三瀬幸司(38歳)、小林正人(34歳)、鈴木義広(31歳)、井上公志(26歳)、矢地健人(26歳)、辻孟彦(25歳)、川崎貴弘(21歳)
野手……小田幸平(37歳)、田中大輔(30歳)、堂上剛裕(29歳)、中田亮二(27歳)、森越祐人(26歳)、井藤真吾(24歳)、吉川大幾(22歳)
(三瀬、小林、鈴木は現役引退)
それに対して、チームの主力は他球団では考えられない高年齢選手が多い。
投手……山本昌(49歳)、岩瀬仁紀(40歳)、川上憲伸(39歳)、山井大介(36歳)、雄太(34歳)、朝倉健太(33歳)、高橋聡文(31歳)、吉見一起(30歳)、浅尾拓也(30歳)
野手……和田一浩(42歳)、小笠原道大(41歳)、荒木雅博(37歳)、森野将彦(36歳)、藤井淳志(33歳)、工藤隆人(33歳)、野本圭(30歳)
辞める選手と残る選手の線引きの基準が何なのか、私にはまったくわからない。「若さ」の象徴とも言える「生え抜きの高校卒」が、中日には20人が在籍し、その平均年齢は26歳である(11月17日現在、引退・戦力外・ドラフト加入選手を除く)。ソフトバンク(27人・22.8歳)、日本ハム(20人・22.7歳)とくらべて、年齢の高さが歴然としている。
チームの将来を決定づける若い選手が少なく、さらに今年のドラフトで指名した選手は、すべて大学・社会人・独立リーグの選手で、高校生は1人もいない。それではいけないと、育成ドラフトで3人の高校生を指名しているが、1位の佐藤雄偉知(東海大相模・投手)はプロ入りを拒絶した。
こうした現状を見ると、落合博満GMのチーム作りがいい方向に向かって進んでいるとは、口が裂けても言えない。球団史上、いまだかつて一度も経験していない「暗黒時代」が目の前に迫っている、私はそう思っている。
(スポーツライター・小関順二)