ラジカルなギャグドラマを、シュールな現実が追い抜いていく。
そして押しつぶされてしまいそうだ。
撮影にも影響が出てきた。
オンエアが迫っているのに、このままでは撮影ができない。
志村さんの訃報を聞いたのは、この「浦安鉄筋家族」のロケ中だった。
少しでも撮り進めなければならない我々は、浦安の海沿いの、風吹きすさぶだだっ広い公園で、「3密」を回避しながら必死のロケをしていた。
お父さん役の佐藤二朗さんが投げるう●こから逃げ惑う、というシーンを全力でやった。
こうして文字にしてみるとバカバカしいが、最高に面白いシーンになった。
あははと笑って、そのひと時は悲しみも不安も忘れた。
こういうシンプルな笑いを、我々は志村さんから教えてもらったんだよね、と、皆で話して、志村さんに想いを馳せた。
このままコロナの感染が広まって経済活動が止まり、たくさん会社やお店が潰れ、収入をなくしても保証されず消費税も下がらず、和牛商品券が配られるなんていうシュールな現実はぜんぜん笑えない。
この恐怖が早く終焉に向かうように、これ以上悲しい想いをする人が増えませんように、毎日祈る想いです。
仕方がない。悔しいが身を守るのが先決だ。 家でドリフを観まくってやる!
そして、政府から、布マスク2枚が配布されるという情報。
天国で志村さん、いかりやさんと一緒に、
「ズコー!」
ってひっくり返ってるかな。
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