実際に子どもを教室に通わせる保護者の反応や考えはどうか。「通わせてみて非常に良かった」と話すのは、山口剛生さん(46)だ。
「教室を通じて、自分で調べて問題を解決する能力が子どもに身についたと思います。今では家にいるときも、スクラッチで制作されたインターネット上で公開されている他の人の作品を見ては、それを上手く真似て自分の作品造りに活かすという姿が見られるようになりました」
山口さん自身はプログラミングの経験がなく、「自分は全く教えられない」と話す。にもかかわらず、子どもが自学自習できるようになったのは、プログラミングがきっかけになったところが大きいようだ。プログラミング教室に通わせるきっかけは、息子の真和(まさと)くん(9)がスクラッチの体験をしたところ、非常に興味を持ったことがきっかけだったという。真和くんは将来の夢について「プログラミングでロボットを作りたい」と胸を膨らませる。
一方で、自身もプログラミングを活用する職種に就き、その重要性を理解した上で通わせる保護者もいる。娘を教室に通わせる馬躍(まよう)さん(39)はこう話す。
「これからの時代にプログラミングは不可欠だと思い、通わせました。プログラミングを学ぶことで、会話の順番や因果関係、特に物事への理解力が得られると自分自身の経験からも期待しています。まだ教室に通わせて半年ほどですが、通わせたことで娘との共通の話題が増え、その内容も論理的になったように思います」
子どもをプログラミング教室に通わせて得られるもの……それは論理的思考力や問題解決能力といった物事に対する考え方が学べる、というのが実のところのようだ。そしてこの能力は、受験や社会に出た時でもきっと役立つものだろう。
プログラミング教育と聞いても、これからの時代に備えた職業訓練的なもの、将来役に立つかもしれないスキル程度に捉えている人はまだ多いように思える。しかし、プログラミングを通じて学べるものはそれよりも深いところにありそうだ。
生涯役に立つ考え方を身に付ける習い事として、プログラミング教室を検討してみるのはいかがだろうか。