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子どもに習い事をやらせたいが、何を習わせたらいいか悩んでいる親も多いだろう。習い事といえば、スポーツや学習塾、ピアノなどが一般的だが、いまでは親世代が子どもの頃に思いもしなかった新しい習い事もある。
その一つが、プログラミング教室だ。現在、子どものプログラミング教育は国を挙げて進められており、2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されている。この流れを受けて、数年前から民間でプログラミングを子どもに教える取り組みが盛んになっているのだ。Z会やベネッセといった小中高生向け通信教育大手から、国内最大級の動画共有サイト「ニコニコ動画」を運営するドワンゴ、そして国内電機大手の富士通グループも、子ども向けプログラミング教室に身を乗り出している。
これまで大人向け教育を担ってきた企業までが、この少子化の時代に子ども向け教室を運営する狙いは何なのか。富士通グループの人材教育を中心に請け持つ企業「富士通ラーニングメディア」で、子ども向けプログラミング教室を立ち上げた大木宏昭さん(45)はこう説明する。
「まずは小学生のプログラミング必修化が決まったことです。そして、企業向けにプログラミングを教えている過程で、この教育はそのまま子どもにも役立つと確信したからです。プログラムを通じて養われる論理的思考や創造性、社会性はむしろ子どもにこそ教えなければいけないという思いが芽生えました」
大木さんは、2017年4月に子ども向けプログラミング教室「F@IT Kids Club(ファイトキッズクラブ)」を東京・品川で開設。現在では幼稚園年長から中学1年生を中心に、200人以上が受講しているという。開講する学校数も、全国40校で展開されている。
どういった狙いやタイミングで通わせる家庭が多いのか、大木さんはこう話す。
「純粋にプログラミングをできるようになってほしいという期待や、『情報』の科目が大学入試で出題されることを見据えて通わせる親御さんもいます。お子さんの教育への意識が高い保護者が多いですね。通わせる時期としては小学校に上がる段階と同時という方も多いですが、個人的にはお子さんの環境に余裕ができる小2からでも遅くはないと考えています」
授業は日曜日に開かれており、このうち隔週で月2回通う頻度となっている。このため、毎週ある習い事と比べて、他と両立しやすいのも特徴だ。月謝は月1万1500円(税別)で、この費用の中に教材費やパソコンレンタル料など全て含まれているという。