スポーツ医には、整形外科以外の専門領域をもつ医師もいて、得意なスポーツ種目や診療対象が異なる。

 (1)、(2)の各認定団体のホームページには、資格をもつ医師のリストが掲載されていて、地域ごとに検索が可能だ。

■スポーツ医がおこなう診療

 一般に整形外科では、専門とするからだの部位が分かれている場合が多い。スポーツ医には、スポーツに関するけが・障害を全般的に診る医師もいるが、とくにある競技や特定の部位だけを得意とする医師もいる。

 スポーツ種目によって、故障しやすい場所がある。たとえば、肩・肘は、投球動作の多い野球やアメフト、自転車競技やスノーボードでの転倒など、ひざはサッカー、ラグビー、バレーボール、陸上競技などがある。

 普段からそのスポーツの外傷をよく診ている医師であれば、正しい診断、治療をしてもらえるので安心だといえる。チームドクターとして、試合帯同などスポーツの現場でも活動し、競技に精通する医師もいる。

「たとえばその選手が、柔軟性を重視するのか、パワーを重視するのかにより、手術のやり方を変えることもありえます。種目ごとの動きの特性や、ポジションはどこなのか、いつまでの復帰を望んでいるかなどの条件を考慮して、患者さんと一緒に治療法を選択し、リハビリやトレーニングを指導したり再発防止のアドバイスをくれたりする医師のいる病院を選べば、心強いはずです」(黒田医師)

≪スポーツ整形外科のいい病院とは?≫

その1
「治るまでスポーツをするな」としか言わない病院には行かない

患者の病態を正確に診断して、治療方針や復帰可能時期の見込みについて説明してくれる。リハビリやトレーニング、フォームの改善などを指導してくれる。

その2
自分にあった有効な治療法をどれくらい提示してくれるか

筋力トレーニングやリハビリなどの保存療法でどのくらい効果があるのか、手術をするとしたらどんなやり方があるのか、複数の選択肢をあげてくれる。

その3
どれだけ患者の希望に寄り添ってくれるか

スポーツ種目やポジションなどを考慮し、試合スケジュールに合わせて、総合的な治療計画を提案して無理のない早期復帰を目指してくれる。

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どうしても手術が必要な場合は?