幸いなことに、イスラエル経済の重要なセクターが、コロナ危機への適応において他のセクターよりもうまく機能しています。イスラエル経済の大部分はハイテク分野に集中しており、労働者が自宅で仕事を続けることを可能にしました。イスラエルの大学や学校もこの状況に適応しました。すべての大学が3月から始まった後期をオンラインで教えており、小、中、高校もそれに続きました。父親としての最近の責任の一つは、子どもたちが授業を受けるために、午前中コンピューターの前に彼らを座らせることです。

 イスラエルのコロナ危機は少し落ち着いてきて、最近は商店などが一部再開されており、徐々に学校も再開する予定です。しかし、このコロナ危機の経済への影響を予測するには時期尚早ですが、ユヴァル・ノア・ハラリのような一部のイスラエルの知識人は、世界経済が回復するためには各国が互いに協力し、信頼し合う必要があると考えています。このコロナ危機ではイスラエルとパレスチナが協力して対応しました。そしてこれは両者にとって経済回復をする良い機会だと考える人もいます。

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Nissim Otmazgin

Nissim Otmazgin

〇Nissim Otmazgin(ニシム・オトマズキン)/国立ヘブライ大学教授。トルーマン研究所所長を経て、同大学人文学部長。1996年、東洋言語学院(東京都)にて言語文化学を学ぶ。2000年ヘブライ大学にて政治学および東アジア地域学を修了。2007年、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科修了、博士号を取得。同年10月、アジア地域の社会文化に関する優秀な論文に贈られる第6回井植記念「アジア太平洋研究賞」を受賞。2012年、エルサレム・ヘブライ大学学長賞を受賞。研究分野は「日本政治と外交関係」「アジアにおける日本の文化外交」など。京都をこよなく愛している。

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