著者はこれまでの経験から時間をかけて考え抜いても問題解決の迷路の中で、迷子になりがちであることを知っている。関連する事実、情報を手にしても次に何をしたらよいかがわからないという状態だ。迷子にならないためには問題解決のプロセスを「地図」として表した問題解決マップが重要と説く。これを7つのステップに分けて示している。その流れで、問題解決のストーリーも展開されるため、実務で使えるイメージが持てるだろう。そのエッセンスを紹介しよう。(なお下記の今回のコロナ禍に当てはめた記述は私の勝手な解釈であり、著者の本に描かれているわけではない。)

【ステップ1】現状分析
 急な売上低下に対応するために、あなたが社長直轄プロジェクトの責任者に任命された。企業の場合であれば、まずは会社の診断である。ここでは、正しく診断するために、こだわりを持って分析する技術を学ぶ。
→今回のコロナ禍の場合であればさしずめ担当大臣というところか。さて、あなたなら何から始めるだろうか。

【ステップ2】問題認識
 会社のリソースは有限でため、どの問題に取り組むかを選ぶ。さらに、問題認識においては「イライラ・キラキラを探すこと」が武器になると述べている。自分で問題解決が必要だと本当に思っているか、こんなふうに解決できたらいいなと、自分自身への問いかけを行い、心も整えるのである。
→このような自身の問題認識があれば、よもや官僚の創ったシナリオに従ってプロンプターを読みあげるといったことにはならないはずだ。

【ステップ3】情報収集
 問題は、なぜ起きているのか情報収集を行う。むやみやたらに情報収集をしては効率が悪い。そこで、本書では「事業部長の視点」という俯瞰図が提示され、問題を発生される典型的な原因パターンが提示される。このパターンを頭に蓄積することが筋の良い仮説を作る第一歩となる。
→例えば過去の成功体験から得意なクラスター分析に偏重したために全体を俯瞰できず、問題解決に対する筋のよい仮説が生みだせなかったということを想起させる。

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