政府発表や報道される内容から今回の施策の主なポイントをまとめてみます。
【給付対象】
・中小企業の従業員
・勤めている会社が雇用調整助成金を未申請
【給付される額】
・月額賃金の8割程度
※33万円程度を上限とする
受け取り方法はハローワークを介するなどの報道もありますが、詳細はこれからの検討事項となっています。
この制度が発表される前、“休業中に失業給付”を受けられるようにする制度が導入されるとの観測もありました。これも広く報道されたのでご存じの人もいると思います。
これは「みなし失業」と呼ばれるもので、過去にも東日本大震災のときに特例措置として被災地で導入された実績があります。これを利用すると実際には離職していなくても、店舗等の休業により一時的に離職→再開時には再雇用が約束されている場合でも、働き手は失業給付の現金を受け取れます。
ただし問題点もあります。一度失業給付を受け取ってしまうと、その後、本当に失業したときに失業給付が受けられなくなることがあるのです。みなし失業給付といっても、失業給付に変わりはないので、再度給付の対象となるには、再就職して再度、雇用保険の被保険者になる必要があります。
今回、みなし失業が見送られるとすれば、これが問題視されたのかもしれません。
この新しい休業者給付制度は生活の安定に影響を与えるので、6月提出予定の政府の第2次補正予算案などを含め、内容を注目しておく必要があります。
■休業で収入が大きく下がった場合、返済の必要がない家賃補助も
今の経済状況において、自営業者の困窮は確かに大きな問題でよく報じられていますが、国や自治体の支援の中には会社勤めの人も活用できるものがありますので、見逃しがないように解説しておきます。
もともと、失業や自営業の廃業で生活が困窮した場合に賃貸住宅の家賃相当額が給付される「住居確保給付金」(自治体により名称が異なります)という制度がありました。これは失業して収入がなくなることで、「住む家を失う」という本人、家族にとって絶対に避けたい状況になることを、返済不要の家賃補助をすることで一定期間回避するための制度です。