失業者でハローワークへ求職申し込みをする必要があったこの制度が、今回の新型コロナウイルスの影響を受け4月20日に改定され、「休業者」も活用できるようになりました。また今回、年齢制限も撤廃されています。また、サラリーマンからパート、アルバイト、個人事業主と幅広く対象としています。


 
 支給期間は基本3カ月ですが、収入状況が改善しないなどの条件によって最大9カ月支給され、給付額は世帯人数によって異なります。条件は失業、休業とも「申請者が世帯の主たる生計維持者であること」で、休業の場合は「自身の都合によらない理由で収入が減少したことにより、離職や廃業と同等の状態であること」、失業・廃業は「離職又は廃業の日から2年以内であること」となります。
 
 給付額や収入の条件などは自治体により異なります。たとえば東京都台東区では、以下の内容になっています。

【給付される額】
・単身世帯:5万3700円
・2人世帯:6万4000円
・3~5人世帯:6万9800円
※いずれも上限額

【収入・預貯金などの条件】
・単身世帯:収入が8万4000円+住居費より少ない 預貯金が50万4000円以下
・2人世帯:収入が13万円+住居費より少ないこと 預貯金が78万円以下
・3人世帯:収入が17万2000円+住居費より少ないこと 預貯金が100万円以下

 問い合わせ先は各自治体の保健福祉センター、福祉部など福祉担当窓口です(名称は自治体により異なります)。

■「無利子・無担保・保証人不要」の一般世帯向け貸し付けも対象を拡大
 
 新型コロナウイルスの影響を考え、従来あった低所得世帯向けの貸付制度も利用者枠を拡大しています。「緊急小口資金」「総合支援資金」と呼ばれる制度ですが、今回の特例措置でこの2つとも無利子・無担保で保証人も不要となり、償還期限なども延長されています。

 また新型コロナウイルスの影響で収入の減少があれば、休業状態になくても貸し付けの対象となります。これらの概要も把握しておきましょう。

【緊急小口資金の特例貸付】
〇貸付上限額/10万円または20万円以内(世帯の人数や要介護者などの有無により異なる)
〇据置期間(※返済しなくてもよい期間)/1年以内
〇償還期限/2年以内

【総合支援資金の特例貸付】
〇貸付上限額
・単身世帯:15万円以内
・2人以上の世帯:20万円以内
〇貸付期間/原則3カ月以内
〇据置期間/1年以内
〇償還期限/10年以内

 問い合わせ・申し込みは、両者とも各自治体の社会福祉協議会です(緊急小口資金は労働金庫店舗でも申し込み可能)。無利子である上に保証人不要と、貸し付けを受けるハードルが下がっています。収入減で生活に不安を感じている人は、これらも検討してみてください。

 日本には、病気やケガ、住まい、出産・育児、高齢に対応するものなど、そして、いますぐ利用できる、活用すれば暮らしに必ず役立つ社会保障がたくさんあります。

 賢く、冷静に保障を活用すれば、生活を安定させる一助となります。年齢にかかわらず将来を考える策を考えていきましょう。もちろん新型コロナウイルス対策の経済保障についても詳細が決定した後で解説する予定です。

 次回もすぐに役立つ社会保障について解説していきたいと思います。

(構成・橋本明)

※本連載シリーズは、手続き内容をわかりやすくお伝えするため、ポイントを絞り編集しています。一部説明を簡略化している点についてはご了承ください。また、2020年5月20日時点での内容となっています。

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