著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は、女優・波乃久里子さんの「韓国家庭料理 はな」の「海鮮チヂミ」と「テールスープ」だ。
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こちらは何年か前に親戚のお姉様に連れていってもらったお店。韓国人のお母さんがお料理を作って、息子さんが接客してくださるのですが、何をいただいてもはずれがありません。押しつけがましくない寡黙なおもてなしで、ストレートにおいしいものを出してくださる。しかも都心にあるとは思えない懐かしい木造の店構えも魅力。落ち着いて食事ができるから、毎日でも行きたいくらい気に入っています。
チヂミはいろんな種類がありますが、なかでも好きなのが、タコやイカが入った。玉ネギのシャキシャキとした食感がたまりません。牛テールのスープは一般的には濃いイメージがありますが、こちらは比較的あっさりとしていて体にすーっと入る感じ。全体的に日本人の舌に合う味付けなんです。
食事を終えて店を出るときに、チマチョゴリを着たお母さんがいつも笑顔でお見送りしてくださる。その姿がなんとも格好よくて、またすぐにでも出かけたくなるんですよね。
(取材・文/沖村かなみ)
「韓国家庭料理 はな」東京都港区白金6‐1‐3 ※営業時間、定休日は要確認
※週刊朝日 2020年5月29日号