作家・演出家の鴻上尚史氏が、あなたのお悩みにおこたえします! 夫婦、家族、職場、学校、恋愛、友人、親戚、社会人サークル、孤独……。皆さまのお悩みをぜひ、ご投稿ください(https://publications.asahi.com/kokami/)。採用された方には、本連載にて鴻上尚史氏が心底真剣に、そしてポジティブにおこたえします(撮影/写真部・小山幸佑)
作家・演出家の鴻上尚史氏が、あなたのお悩みにおこたえします! 夫婦、家族、職場、学校、恋愛、友人、親戚、社会人サークル、孤独……。皆さまのお悩みをぜひ、ご投稿ください(https://publications.asahi.com/kokami/)。採用された方には、本連載にて鴻上尚史氏が心底真剣に、そしてポジティブにおこたえします(撮影/写真部・小山幸佑)
この記事の写真をすべて見る
写真は本文とは関係ありません(※イメージ写真/iStock)
写真は本文とは関係ありません(※イメージ写真/iStock)

 不倫の末息子を出産したという34歳母親。幼稚園に通うようになった息子に父親の関係を聞かれたときの答えに悩む相談者に、鴻上尚史が伝える「子供に絶対に言ってはいけない言葉」とは。

【相談68】不倫のすえ出産した息子に、どのように説明すればいいでしょうか?(34歳 女性 ゆかり)

 初めまして。私は30代半ばの未婚女性です。私は4年前に未婚で男児を出産しました。子供の父親とはいわゆる不倫の関係でした。6年交際していて4年は知らず、知ってからは彼からの必ず離婚するという言葉を信じていました。愚かだと思います。現在、関係は解消しています。私自身は不動産収入もあり1人でも生活の不安はないこと、宗教的な理由から中絶はしたくなく、結局出産する道を選びました。

 子供の父親からは認知してもらい、また毎月決まった額の養育費振り込みと子供との月1回の面会の約束を公正証書にて取り交わし、続けています。子供と一切会わせずに関係を断つことも何度も考えましたが、会う/会わないどちらにしても不満が出てくるはずなので、本人の意見が出てくるまではどちらか選べるよう、現時点では、会える道を残しています。子供は彼をパパと呼んで遊びに行く日を楽しみにしているようでもあり、全く忘れているような時もあります。

 子供も幼稚園に通うようになりました。まだ聞いてはきませんが、自分の父親との関係は? なぜ一緒に住んでいないのか? どのようにして生まれたのか? などの話を、今後子供にどのように説明していけばよいのか悩んでいます。また、私自身は、自分の決めた道ですので、世間から何をいわれても目の前のことに誠実にひたすら精進してゆくのみであると心得ていますが、子供が世間からの誹(そし)りを受けたり、悩んだり苦しむことを考えると大変申し訳なく、夜眠れずに悩んでいることもしばしばです。

 鴻上先生でしたら、いつごろ、どのように説明しますか? この先、子供に対してどのようにしたらいいでしょうか? ぜひご意見をお願いいたします。

著者プロフィールを見る
鴻上尚史

鴻上尚史

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。94年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲賞。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける。近著に『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる 』(岩波ジュニア新書)、『ドン・キホーテ走る』(論創社)、また本連載を書籍にした『鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』がある。Twitter(@KOKAMIShoji)も随時更新中

鴻上尚史の記事一覧はこちら
次のページ
鴻上さんの答えは…