「どんなふうに生まれたの?」という質問が来ても、「不倫」だとは言いません。月1回の面会が続いていて、パパにもうひとつの家庭があると知り、「どういうこと?」と聞かれたら、「ママと別れたパパは別の人を選んだの」と言います。「でも、パパはパパだからね」と付け加えながら。

 どの時期も、「質問をはぐらかす」ことと「答えを先送りにする」ことだけはやってはいけないと思います。

 例えば、無視して別の話を始めるとか「また今度ね」とか「大きくなったら分かるわよ」とか「そのうち説明するね」という言い方です。

 その時その時、相手を見ながら、相手の理解できる範囲で伝えます。

 そこから先は、息子さんの状態次第だと思います。月1回の面会を希望し続けるのか。父親とどんな会話をするのか。

 思春期になった時に、ゆかりさんとどんな関係になっているのかも重要です。より繊細な状態なら、まだ「不倫」であるという説明はしないと思います。「ママとパパは恋をした。その結果、あなたが生まれた。でも、恋は終わり、お互いを傷つけないように別々に生活を始めた。そして、パパは別な人を選んだ」という説明です。

 やがて息子さんが大人になり、どんな会話ができるかは、楽しみにとっておいた方がいいと思います。

 じつは、ゆかりさんの相談の文章を読んで感動した点がもうひとつあります。

 それは、男に対する悪口が一言もないことです。「6年交際していて4年は知らず、知ってからは彼からの必ず離婚するという言葉を信じていました」というのは、男を責めて当然のことです。それをゆかりさんは「愚かだと思います」という言葉で表現しているのです。

 親しい友達には、どんなに男の悪態をついても、子供には絶対に言ってはいけない、と分かっていらっしゃるんじゃないでしょうか。だから、この相談でも悪口を避けたのではないかと僕は思いました。違いますか?

 悔しいですが、つらいですが、どんなに男に腹が立っても、子供に父親の悪口は言ってはいけないと僕は思っています。子供にとっては、母親を裏切ろうが嘘をつこうが父親なのです。父親の悪口を言うことは、そのまま子供を傷つけてしまうことになるのです。

暮らしとモノ班 for promotion
大人のリカちゃん遊び「リカ活」が人気!ついにポージング自由自在なモデルも
次のページ
世間で子供が何かを言われたとしても…