さらに女優の杏(34)もあの人気歌手からかけてもらった言葉に大きな影響を受けたという。

「杏さんが女優になる大きなきっかけとなった言葉を福山雅治さんにもらったと自身のエッセイや取材で話されています。モデルとして活動していた時期に女優のオファーがあり、『果たして自分がやっていいのだろうか』と悩んでいたといいます。そんなときに対談をした際、『自分の元に仕事が来たってことは、自分と仕事をしてみたいっていう想いを持った人がいるってことだよね』『その仕事をくれた人の想いにまず応えるというのは1つの答えなんじゃないのかな』と言葉をかけてくれたそうです。『目からうろこが落ちる思いだった』と述べ、福山さんの言葉に背中を押された杏さんはそれをきっかけに国民的な人気女優へと駆け上がっていったのです」(女性週刊誌の芸能担当記者)

■無名だった出川哲朗をスターにしたのは?

 ほかにも、抱かれたくない男から一転、好感度タレントになった出川哲朗(56)は、素人番組で出会い、苦楽をともにしてきた松村邦洋から発せられた言葉に号泣し、励まされた過去があることをバラエティ番組で明かしている。先に売れた松村が、「笑っていいとも!」のテレフォンショッキングに初出演した際、モノマネで笑いを取っていたにもかかわらず最後に当時無名だった出川のモノマネをして大スベリ。せっかくのチャンスに自身のモノマネを披露したことに怒りの電話をかけると「僕の出川さんのモノマネは完璧なんです。あとは出川さんの売れる待ちですから」との答えが返ってきたという。

 TVウォッチャーの中村裕一氏は言葉に影響を受けた芸能人に対して、こう見ている。

「外から見ると自由で華やかそうに見える芸能界ですが、その本質は常に人目に晒され、周りの空気を読み続け、期待以上の成果を求められる超実力主義の世界です。たとえ今売れている芸能人でも、確固たる将来の保証があるわけではありません。私たち一般人が思っている以上にセンシティブで、孤独や不安、迷いを抱えている芸能人はきっと多いと思います。そんな時、家族や仲間、先輩、スタッフ、ファンの言葉に救われることで不安を吹き飛ばし、自分を奮い立たせ、私たちに素敵なエンターテインメントを届けてくれるのです。使い古された言い方ですが、言葉ひとつで人を傷つけることも、逆に人を励ますこともできるんです」

 SNSには芸能人に対する罵詈雑言が日々飛び交う昨今だが、中村氏はこう続ける。

「新型コロナウイルスの影響によって人間関係がギスギスしがちになっている今、ライフスタイルの修正や価値観のアップデートを余儀なくされている今こそ、より良いエンターテインメントのために私たちも芸能人への対応や投げかける言葉を見つめ直すときなのかもしれません」

 家族、先輩、親友などからの言葉に発破をかけられ、思わぬ転機を迎えることもある。これは決して芸能界に限ったことではなく、あなたが何気なく発したひとことが他人の人生を大きく変えることもあるかもしれない。(高梨歩)

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