北海道では、函館~札幌間で運転されていた夜行快速「ミッドナイト」を記憶している人も多いのではないだろうか。1988年から2002年にかけて運行され、当時は「青春18きっぷ」の定番的列車としても人気を集めていた。臨時列車扱いでありながらほぼ毎日運転されていたが、運転日によりノンストップ運行と主要駅停車とのダイヤを使い分けていたのが特徴だった。ただし、ノンストップ運行日も主要駅には「運転停車」(乗客の乗り降りがない業務上の停車)をしており、夜を徹して走り続けたわけではない。

 珍しい例としては、函館本線の通称「上砂川支線」(1994年廃止)で運行されていた普通列車921Dがある。1976年7月ダイヤによれば、砂川を5時48分に発車すると途中の3駅を通過し、終点の上砂川着が6時01分。時間帯などから判断すると上砂川を6時06分に発車する砂川行きのための回送を旅客営業扱いにしたと思われる。

■都市間ノンストップ列車が各地に

 本州以南に目を移すと、仙山線の快速「仙山」にノンストップ列車があった。1985年から2003年にかけて運行されていたもので、この列車には私も乗ったことがある。ところが、当日は折からの大雨の影響で臨時停車が繰り返され、残念ながらノンストップ運転を体感することができなかった。仙台地区では、ほかに仙石線にノンストップの特別快速が設定されていた。

 西日本方面では、四国の高徳本線(現・高徳線)にノンストップ列車が活躍していた。1965年4月ダイヤを見ると、高松~徳島間に1.5往復のノンストップ急行「阿波(下り2・7号、上り5号)」が設定されており、ほかに牟岐(むぎ)線直通急行「むろと」のうちの1往復が同区間においてノンストップ運転となっている。最速は「阿波2号」で1時間17分。現在は特急「うずしお22号」が55分を記録している(途中2駅停車)。

 また、宇野線にもノンストップ快速の実績がある。1972年4月ダイヤでは岡山~宇野間ノンストップの快速が定期3往復設定され、同区間を下り31分、上り33分で結んでいた。当時の宇野線快速には指定席グリーン車が連結されており、路線そのものが活況を呈していたことをうかがわせる。

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