「できることから、できる人から」「やろうとしないことが一番子どもに対して罪」
しかしこうした動きと逆行するように、学校再開に伴い「オンライン学習に向けた動きが止まるのでは」と危機感を募らせる人たちもいる。GIGAスクールの端末が子どもたちの手元に届くまで時間がかかるという見方もある。今できることをしておかないと、感染拡大で再び学習が止まってしまう──。
東京都武蔵野市に住む、小学生の子を持つ天野妙さん(45)はその一人。4月下旬、市内の小中学生の保護者を対象にオンライン学習の意向と家庭のネット環境のアンケートを行った。
「9日間で1500もの声が集まりました。9割がオンライン学習を希望。9割の家庭がWi-Fi環境も整っていました」
5月中旬、天野さんは市長と教育委員会にアンケート結果を提出し、双方向のオンライン学習を要望したが、見通しはわからない。アエラの取材に教育委員会は、オンライン環境のない子の把握と学校の端末を活用する緊急手当てのメドはついているとし、「双方向については準備を考えている」と回答した。
「隣の三鷹市は4月中旬、児童・生徒1人1台のタブレット配備を発表しました。広島県でも平川理恵教育長がオンライン環境をスピーディーに整備し話題を呼びました。首長や教育長のリーダーの差がオンライン格差、ひいては教育格差を生むのだと思います」(天野さん)
天野さんは、代表を務めるみらい子育て全国ネットワークのサイトにアンケートフォームをアップ。18の自治体の保護者が実施し、広がりを見せている。
小学1年の子を持つ、子育てマーケターの森田亜矢子さん(42)は、東京23区の小学校のオンライン導入状況を、保護者のネットワークを通じて“草の根ウォッチ”。サイト「ぱぱままSTARTUP」に、使用ツールも含めアップしている。森田さんがトップランナーに挙げるのは渋谷区、豊島区、文京区、千代田区、江東区の5区だ。