スマホで音楽を聴いているのであれば、音量をチェックできるアプリがある。例えば、アイフォーンなら「ヘルスケア」というアプリで過去にどれくらいの音量で聴いていたのかが一目でわかる。ほかにも同様のアプリがあるので、試してみるといいかもしれない。

 自分の耳の聞こえ方を調べたい場合は、WHOが作ったアプリがある。今のところ英語版しかないが、イヤホンから聞こえてくる数字を入力することで、どの程度の聴力かチェックできる。

 最後に、難聴対策となりうるヘッドホンやイヤホンについて。e☆イヤホン秋葉原店の東谷圭人フロア長に聞いた。

「外からの騒音を抑え、小さい音量で音楽を楽しめるものは、大きく分けて、ノイズキャンセリング機能付きのもの、物理的にフィット感を強めた耳栓効果が高いもの、耳ではなく骨伝導によって音楽を聴けるものがあります」

 ノイズキャンセリングで代表的なイヤホンは、アップルのAirPods Proや、ソニーのWF‐1000XM3。後者は同店の一番人気だ。ソニーはヘッドホンタイプのWH‐1000XM3も出していて、こちらもヘッドホンでは一番売れている。

 耳栓効果の高いイヤホンは、米国の音響機器メーカー・SHURE(シュア)のSE215SPE‐B+BT2‐A。国内外のアーティストのライブ用イヤホンも作っているメーカーのもので、外部の騒音をほぼカットする。

 骨伝導タイプは、この種のイヤホンに特化するメーカー、米国のAfterShokz(アフターショックス)が出すAEROPEXがお薦めだという。

「いずれにしても、使う際は、かならず正しくフィッティングをしてください。せっかくの高機能のイヤホンやヘッドホンでも耳の形に合っていなければ音漏れがして、機能を十分に生かしきれません」(東谷さん)

 耳の老化は30代から始まるというが、個人差が大きい。人生100年時代、聞くという機能を低下させないよう、上手に音と付き合っていきたい。(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2020年7月24日号