

新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワーク(在宅勤務)や、一人でするジョギング、ウォーキングなどで、ヘッドホンやイヤホンを使う機会が増えた。そうなると気になるのが、大音量で音楽やラジオを聴き続けることで聞こえが悪くなる「ヘッドホン難聴」だ。何よりも予防が大事。対策と最新のヘッドホン、イヤホン事情を探った。
【写真】最新機器で予防!高機能のイヤホン、ヘッドホンがこちら
「まさにテレワークによるオンライン会議や、自粛によるオンライン飲み会の需要ですね。特にヘッドセット(マイク付きのヘッドホンやイヤホン)の売り上げが順調で、昨年の同月と比べて2.3倍になっています」
こう話すのは、イヤホン・ヘッドホン専門店e☆イヤホンを運営するタイムマシンの三友卓哉マネージャーだ。同店ではヘッドホンやイヤホンを4千種類ほど扱っている。
ウェブメディアのBCN+Rでは、全国の家電量販店やネットショップから集計したBCNランキングを紹介している。今年5月の完全ワイヤレスイヤホン販売台数は、前年同月比165.4%だった。
ヘッドホンやイヤホンなどを使う機会が増えることで危惧される「ヘッドホン難聴」は、大きな音にさらされ続けることで起こる音響性難聴のこと。オーディオ機器を使って大音量で音楽などを聴き続ける、あるいはロックコンサートやライブ、クラブなどで長時間、大音響の中にいることがきっかけで生じる。
世界保健機関(WHO)も、世界で11億人もの若者がリスクにさらされていると警告している。
厚生労働省の健康情報サイトでヘッドホン難聴の記事を監修した、慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科の小川郁教授は、
「オンラインの会議や飲み会でヘッドホン、イヤホンを使うぐらいでは、難聴になることはまずありません」
と言いつつも、
「屋外でジョギングやウォーキングをするとき、あるいはスポーツジムで使う場合は、適正な音量で聴くことを心がけてほしい」
と注意を促す。
また、今は感染予防として、多くの地域で地下鉄も含め電車の窓を開けている。そのため車内は騒々しく、つい音量を上げがちになるので、それも気をつけたほうがいいそうだ。
そもそも、なぜヘッドホン難聴は起こるのか。小川教授は次のように説明する。