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8月28日、辞任の意向を固めたと報じられた安倍晋三首相。持病が悪化したことなどから国政に支障が出る事態は避けたいと同日17時からの記者会見で辞意を表明。その理由などを自ら説明した。
後任については、安倍首相は臨時代理は置かずに、後任の首相が決まるまでは引き続き執務を行う意向だと報じられている。日本の政治制度に詳しい岩井奉信・日本大学教授は後任の選出方法についてこう話す。
「総裁選か議員総会で決めるという選択肢が考えられます。私は議員総会で決まる流れになるのではないかとみています。その理由として、まずはコロナ対策を進めるために空白期間をつくれないということ、総裁選をやるほどの空白期間は作れないでしょう。そして後任について一任された二階俊博幹事長の存在。彼は総裁選を望まないと考えています」
後任の一人として名前が挙がる石破茂元幹事長は、後任選びについて、「地方党員も交えた通常の総裁選挙の形で行うべき」と語っている。
「二階幹事長はこれまでの継続性を重視するでしょう。総裁選をすれば時間もかかるうえに、石破氏や岸田文雄氏の可能性も出てくる。継続性と実務的な部分を強調しながら議員総会の流れをつくり、次期首相は菅義偉官房長官ということになる可能性が高い」
コロナ禍への対応や国会など空白期間を長く設けることはできない。議員総会によって次期首相が決まるとなれば、「退任後、2~3週間で決まるのではないか」と岩井教授は話した。
安倍首相は会見で、北朝鮮拉致問題についても言及。「かつては日本しか主張していないかったが、国際的に認知されるようになった。私も努力をしてきた。今までなかったこと。もちろん結果は出ていないが最善の努力をした。そのなかで人が亡くなられた。痛恨の極みである。考えられるあらゆる手段はとってきた」と話した。
総理総裁の資質についても質問され、「これまでも申し上げてきたが、いわばしっかりとしたビジョンと情熱を持った方。名前が出ている方はそれぞれ持っていると思う。総理大臣は一人ではできない。私がこれまでできたのも支えてくれたみなさんがいてここまで来ることができた。そういうチーム力も大変重要だと思う」と語った。