「10年から2連覇、12年に2位になった後は、7年連続でBクラスと低迷した。チームの弱体化に加えファンの需要に球団、ドーム側が応えられなかったことも大きい。ドーム改修の要望も常にあったが、大きな変化があったのはフィールド席設置やビジョンの大型化ぐらい」(中日担当記者)

 ドームは97年開場、両翼100m中堅122mと国内ではトップクラスの広さ。4.8mの外野フェンスもあり、本塁打が出にくい球場として有名だ。

「選手、首脳陣からすると、やりやすい球場」と中日OBはドームを褒める。

「首脳陣からするとゲームプランを立てやすい。投手を中心に失点を防ぎ、少ないチャンスを生かして得点を重ねていく。選手も球場の特徴に合わせれば良い。本塁打が出にくいので、投手は思い切った攻め方ができる。野手も低い弾道で野手の間を抜くような打撃をする。やるべきことがはっきりするので、実力を発揮しやすい」

 戦術を明確にして戦うことができる。これを徹底したのが落合監督であり、結果を残した。

 ドームはチームカラーに沿った『中日野球』が見やすい球場のはずだが、ファンが足を運ばないのはなぜだろうか。

「中日=ナゴヤ球場のイメージが今だに強い。本塁打によるスリリングな試合を望んでいるファンが多い」

 中京地区テレビ局スポーツ担当者は、ナゴヤ球場を理由の1つに挙げてくれた。

「1軍使用当時のナゴヤ球場は狭く本塁打が量産された。勝っても負けても1発逆転のスリルがあった。投手陣などから反発は多かったが、ファンからすると大歓迎。試合終了まで何が起こるかわからない。当時のテレビ中継は、最後まで視聴率が落ちなかった。『恐竜打線』とは、どこからでも本塁打が出る『ナゴヤ球場打線』と呼ぶ人もいた。だからドームにホームランテラス導入の声も出ているのは理解できる」

 ホームランテラスとは外野フェンスの手前、フィールド内に設けられたラッキーゾーン。福岡、千葉で導入され、ナゴヤドームでも設置が検討されている。

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