

ライフネット生命を創業し、いまでは立命館アジア太平洋大学(APU)学長となった出口治明さん。大学教育と就職という問題に苦言を呈す出口さんに作家・林真理子さんも強く共感しました。
【前編/ライフネット生命創業者・出口治明はSNSで知り合いづくり?】より続く
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林:APUは優秀でユニークな学生を育てているということで、最近、名声が高いですよね。
出口:いや、まだまだそんなことないですよ。
林:でも、学歴偏重の風潮がある某有名出版社に、去年一人入ったと聞きましたよ。
出口:ああ、○○さんですね。だけど東京でアンケート調査をやったら、APUを知っている人は4割いくかいかないかなんですよ。立命館の認知度は高いんですが、APUは知られていないんです。
林:留学生の皆さんは、どうやってAPUを知るんですか。
出口:たとえば、インドネシアのジャカルタに日本の開成や灘のような有名進学校があって、インドネシアの大学のレベルはまだ低いので、トップクラスの学生はアメリカとかヨーロッパの大学に行きたいと考えるんです。でも、学費がめちゃ高いでしょう。そこでネット検索をするんですが、大学って全世界に2万5千もあるので全部はチェックできない。そこで、「AACSB」などの認証で検索するとAPUが出てくるんです。
林:AACSB?
出口:ミシュランの星と同じで、「この大学は教育も研究も国際的に保証されていますよ」という認証機関です。正式名称はAssociation to Advance Collegiate Schools of Businessです。
林:APUはそのミシュランの星をもらってるんですか。
出口:はい。TedQualとAMBAと星を三つ持っています。それと、APUは秋入学もやっていて、しかも英語で受験ができる。アメリカやヨーロッパの大学に行くのと同じ条件なので、それにひかれてAPUに来るんです。加えて、学費が欧米に比べれば安いので、アジアなど90カ国・地域から裕福な家のお子さんが来るという感じですね。