イチから新たな相手を探すのは難しそう。別れを躊躇していると、突然彼氏から一緒に住もうと誘われた。理由を聞けば、「外出自粛で孤独を感じてパートナーの大切さが身に染みた」という。「何を勝手な」とも思ったが、もともと一緒にいるのが心地いい相手ではあった。「結婚前提なら」と同棲をOKし、緊急事態宣言解除後に家を借りた。その後、久しぶりに出かけたレストランで指輪を渡され、婚約。9月末に婚姻届を出す予定だ。結婚する気があるのかないのかわからなかった彼氏が、コロナ禍以降急に積極的になった。
「結婚したい側だった私が戸惑うほど。彼が結婚を決めたのは、ある意味コロナのおかげです」
一方で、変わらないこともある。川名教授は言う。
「誰かと一緒にいたいと思うのは自然なことで、コロナ禍にあってもそれは変わりません」
人を愛するという営み、誰かとつながりたいという欲求は変わらずに続いていく。(編集部・川口穣)
※AERA 2020年9月28日号より抜粋