左から菅義偉首相、吉村洋文大阪府知事、山尾志桜里衆院議員(c)朝日新聞社
左から菅義偉首相、吉村洋文大阪府知事、山尾志桜里衆院議員(c)朝日新聞社
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注目58選挙区の当落予測(1/2 週刊朝日2020年10月9日号より)
注目58選挙区の当落予測(1/2 週刊朝日2020年10月9日号より)
注目58選挙区の当落予測(2/2 週刊朝日2020年10月9日号より)
注目58選挙区の当落予測(2/2 週刊朝日2020年10月9日号より)

 誕生したばかりの菅義偉政権に早速、大勝負が迫る。12月にも行われると観測される解散総選挙だ。ご祝儀ムードで与党圧勝との見方もあるが、本誌の予測では野党に「倍返し」を食らう未来も見えてきた。宿敵相手に「おしまいDEATH!」と叫ぶのは果たして与党か、野党か──。

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 実際に12月6日に総選挙が行われた場合の注目58選挙区の当落を政治ジャーナリストの野上忠興氏と角谷浩一氏に予測してもらった。

 民主王国と言われる北海道では“異変”が起きそうだ。全選挙区で共産が候補擁立を見送り、自民が現有の6議席(比例復活を除く)から半減する可能性があるという。野上氏がこう語る。

「例えば、2区の立憲・松木謙公氏は前回3万票差で敗れたが、共産票を足すと約12万7千票で、自民・吉川貴盛氏の約10万4千票を上回る。4区は前回、希望と立憲が両方立てたが、今回は統一するので逆転します。9区でも前回の野党票を足すと、五輪メダリストの自民・堀井学氏の当選は危うくなります」

 東北地方で自民の泣きどころは秋田2区の金田勝年元法相。前回は立憲の緑川貴士氏に1672票差で薄氷の勝利だった。

「前回、独自候補で1万3600票を集めた共産党が緑川さん支持に回れば数字の上では逆転しますが、秋田は菅氏の故郷でもあり、ご祝儀風が吹いて金田氏が救われる可能性もある」(野上氏)

 前回の東北での小選挙区の結果を見ると、福島や岩手、宮城など東日本大震災の被害が大きかった地域で野党が健闘する傾向があった。

「福島4区では立憲の小慎司氏がもう一歩で自民候補を逆転しそうだった。宮城1区も前回選挙で分裂した立憲と希望の票を合わせると自民の土井亨氏の獲得票を超える。これらの地域は自民がポロポロ取りこぼすでしょう」(同)

 上信越地方では、新潟に激戦区がズラリと並ぶ。

「新潟はほぼ全選挙区が激戦区。安泰なのは1区の西村智奈美氏(立憲)、6区の高鳥修一氏(自民)くらい。あとはどう転ぶかわからない」(角谷氏)

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