加計学園からの献金疑惑も話題になった東京11区の下村博文氏(自民)はどうか。
「野党票がまとまれば互角ですが、自民党政調会長に就任したから安泰でしょう。英語民間試験の導入失敗などで危ないと言われた24区の萩生田光一氏も文科相再任となったことで、逃げきるとみられます」(同)
東京18区では立憲の菅直人元首相と自民入りして21区からくら替えした長島昭久氏の「子弟対決」が勃発する
「首相時代、菅氏は長島氏に目をかけて育てた。その後は袂を分かち、長島さんは今年、自民党の二階派入り。菅氏は引退も想定していたが一転して出馬を決意したという。『彼には渡せない』という心境なんでしょう。地盤の強い菅氏に軍配が上がるのでは」(角谷氏)
自民の有力議員がひしめく神奈川で激戦区になりそうなのが6区だ。
「前回約3500票差で敗れた公明の上田勇氏に代わり、将来の代表候補と言われる公明の遠山清彦氏が比例九州ブロックから送り込まれます。立憲との雪辱戦の行方も見所の一つです」(野上氏)
東海地方はどうか。
「静岡1区の上川陽子氏が落選の危機でしたが、法相に返り咲いたことで、とりあえず助かりそうです」(同)
静岡5区は無所属ながら自民党二階派入りした細野豪志氏と、自民党公認の吉川赳氏(岸田派)との保守対決となる。
「総裁選でも対立した岸田派対二階派の因縁の戦いです。選挙には圧倒的に強い細野氏に軍配が上がり、当選後に自民党入りを果たすのではないでしょうか」(角谷氏)
愛知では1区が激戦になりそうだ。
「やはり県都現象で野党票がはるかに強い。ただ、河村たかし名古屋市長が出馬する可能性があるのに加え、維新が候補を立てるとも言われます。波乱含みですね」(野上氏)
大阪は都構想の住民投票(11月1日投開票)で対立する自民と維新の「仁義なき戦い」が続く。コロナ対策で吉村洋文府知事のメディア露出が増え、維新に追い風か。
「前回選挙で次点だった維新候補が逆転を狙うことになる。多くの選挙区で、維新対自民の死闘となるでしょう」(角谷氏)