新潟5区は前新潟県知事の米山隆一氏と元知事の泉田裕彦氏の「元知事戦争」。米山氏は5月、作家でタレントの室井佑月さんと結婚した勢いに乗り政界復帰できるか。

「両者とも知名度は抜群なので激戦になる。組織力で勝る泉田さんに対し、米山さんは組織を持たない草の根でどこまで浸透するか」(同)

 関東地方も各地で激戦となる。野上氏は立憲と共産の「立・共共闘」の成否が命運を握ると語る。

「特に今回、面白いのは県都の情勢。自民が都市部で弱いとされる『1区現象』が立・共共闘の効果としててきめんに表れるでしょう」(野上氏)

 関東だけでも茨城1区、埼玉1区、千葉1区などで、野党が自民をひっくり返す逆転現象が起こる可能性があるという。

 茨城7区も立・共共闘がカギ。無所属で当選を続ける「無敗の男」中村喜四郎氏が今回は立憲から出馬する。

「中村氏はこれまで無所属だったために、自民や公明支持層からも票を取っていたが、立憲入りしたために基礎票の変化がある。その分、共産党の票が入ると見て、次も優勢でしょう」(角谷氏)

 東京では国民民主・山尾志桜里氏の愛知7区からのくら替えが取り沙汰されたが、比例東京ブロック単独1位での出馬が決まった。

「選挙区で出れば立民の候補と共倒れになるところだった。ただ、過去の不倫の印象は消えておらず、比例1位でも安泰ではない」(政界関係者)

 石原伸晃氏、宏高氏の兄弟も危うしとの見方がある。野上氏がこう語る。

「宏高氏の東京3区は共産が候補を降ろすと思われ、無所属から立憲入りした松原仁氏が有利。伸晃氏の8区も野党票を全部合わせれば野党候補の勝ちになるが、ここは共産が素直に降りるかどうか。派閥のボスでもあり、逃げ切りそうです」

 9区の菅原一秀氏は公職選挙法違反疑惑が報じられ、昨年10月、経産相を辞任。その後、不起訴(起訴猶予)となり、こまめに選挙区を回っていると伝えられる。

「あの騒動が影響するでしょうが、野党も候補者選定で難航中。菅原氏にもまだ、勝機は残されている」(野上氏)

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