今シーズン開幕直後に巨人に移籍したウィーラー (c)朝日新聞社
今シーズン開幕直後に巨人に移籍したウィーラー (c)朝日新聞社

 巨人の外国人ヘラルド・パーラ、ゼラス・ウィーラーの評判が良い。

【写真】1990年代に巨人入りした伝説の助っ人外国人はこの人

 グラウンド上の成績はともかく、社交的で献身的な性格が周囲から信頼を得ている。

 日本球界で必要とされる外国人選手のタイプが変わりつつある。米国での実績関係なく、『良い人』であることが求められている。

 6月25日、楽天・ウィーラーの巨人移籍が発表となった。昨シーズンまで楽天在籍5年間で106本塁打の実績があり、打線の底上げを狙う巨人の補強ポイントと合致したという。

 今季は開幕2軍スタートとなったが、明るさを失うことなく周囲を盛り上げていた。若手中心に変換しつつある巨人は、チームのまとめ役としても期待している。

「正直、驚いた。33歳を迎え選手として下降線にあった。ウエイトも増え気味で、走れないし守備もレベルが高いわけでもない。それでも明るく振る舞う姿勢はチームを元気づけていた。成績には現れない功労者だった。まさかDH制度のないセ・リーグ、しかも強打者揃いの巨人が手を挙げるとは思わなかった。人間性を重視しての獲得だろう」(在京テレビ局スポーツ担当)

 巨人の外国人戦略が変化しつつある。新入団のパーラもウィーラー同様で『良い人』だ。

「ナショナルズで世界一となった『優勝請負人』。走攻守すべて平均的で飛び抜けたものはないが、人間性は社交的で素晴らしい。『サメダンス』などで盛り上げ役も期待された。これまで戦力としてはイマイチだが、それらも織り込み済みでのウィーラー獲得だったはず」(巨人担当記者)

 以前にも08年にヤクルトから移籍したアレックス・ラミレス(DeNA監督)。楽天でプレー経験のあったケーシー・マギーを17年に獲得した例がある。MLBの大物を新規獲得するのではなく、国内での働きぶりと性格を重視しての選択だった。2人とも野球で結果を残したと同時に、チームの雰囲気作りなどでもチームに貢献した。

「即効性を考えれば理にかなっている」と納得するのはMLBアジア地区担当スカウト。

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“良い人”じゃない助っ人は獲得回避?