林:そして東大に入ったら、仲間がいっぱいいて……。

中野:もうパラダイスですよ。すごく楽しかった。エキセントリックでもぜんぜん大丈夫と思って。

林:私、和田秀樹先生(精神科医)と仲良しなんです。あの先生も東大医学部ですけど、頭のいい人って実はこんななのか、ほんとに変だなと思って。

中野:アハハハ。和田先生の本、いちいちおもしろいですよね。自分の尺度がちゃんとしてるなという感じで、切り口がいつもシャープだし。

林:でも、和田先生ってすごいスネる人で、スネオ君なんです。

中野:そうなんですか? へぇ~、カワイイ(笑)。

林:出来の悪い弟みたいなもんですよ。こんなに頭がいいのにこんなに生きづらい生き方をして、見てられないという感じ。

中野:ああ、東大はそういう人がけっこういましたね(笑)。なんでこんなに闇を抱えてるんだろうみたいな。

林:私、東大生なんて上京するまで見たことがなかったけど、みんなちゃんと結婚できてるんですか。

中野:これまで見てきた方たちは、闇の部分は見ないことにしちゃってる人が半分ぐらいいて、男性なら歪みを奥さんが支えてるみたいな感じですね。少なくとも聖人君子という様子ではないですよ。言葉は良くないですが、いわゆる「東大クン」って勉強さえできれば何でも許されるとどこかで思っているふしはあります。俺たちは上級国民だとも思っているかもしれない。東大女子のことは二級国民だとも思ってる。俺たち一級、東大女子は二級。

林:運動部のマネジャーに、名門の女子大から女子学生が来てるじゃないですか。ああいう子たちは何級なんですか。

中野:ああいう子たちのことは「俺たちの嫁候補」と思っている感じですよね。「彼女たちは俺たちとつき合いたいと思ってるはずだ」とたぶん思っているし、東大医学部の人は「看護師はみんな俺たちを狙ってる」と思ってる。

林:「自分より高収入の女はNG」って本の中に書いてありましたけど、それは自尊心ですか。

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