資料写真 (c)朝日新聞社 @@写禁
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 1月19日、20日にはセンター試験が行われ、いよいよ受験シーズンが本格化する。最後まで気が抜けないのが勝負の世界だ。試験中の過ごし方次第で、形勢は有利にも不利にも変わり得る。鍵となるのは、脳内物質で脳がリラックスした際に出てくるβエンドルフィンと、不快な時に出てくるノルアドレナリンだ。

 試験会場到着後に最大の敵となるのは、やはり緊張だろう。あがってしまった場合の対処法を、受験関係の著作があり、受験指導に脳科学を取り入れている医学博士の福井一成さんはこうアドバイスする。

「緊張してノルアドレナリンを出してしまってはいけません。緊張していると感じたら、おなかを膨らませたり引っ込めたりして、横隔膜を使った腹式呼吸をしましょう。なるべくゆっくりと吸って吐くのがポイントです。腹式呼吸で血圧が下がり、脈拍が減って脳がリラックス状態になるため、精神的に安定します」

 最初の科目の出来が悪かったからといって、がっかりしてしまうのも禁物だ。がっかりするとノルアドレナリンが増え、脳の働きが鈍る悪循環に陥ってしまうという。

 駿台予備学校情報センター長の石原賢一さんは、受験生に毎年、こんな指導をしているという。「友達との答え合わせは絶対にしないこと。答えが違っていたら動揺して、以後の試験に悪影響を及ぼしてしまいます。気持ちを切り替えて2日目の勉強に集中し、答え合わせは全科目が終わった後でやりましょう」。

週刊朝日 2013年1月25日号

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