生理や妊娠・出産、性の問題など、女性の体の悩みにテクノロジーやアイデアで応える「フェムテック」。欧米で生まれた市場が、今日本にも浸透しつつある。AERA 2020年11月16日号から。
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白を基調とした店内には、カラフルなグッズが並ぶ。インテリアショップのような雰囲気だが、よく見ると並んでいるのは月経カップ、生理用ショーツ、バイブレーターなど、女性の体や性のための商品だ。東京・六本木にある「fermata store in New Stand Tokyo(フェルマータストアインニュースタンドトーキョー)」は、フェムテック専門オンラインストアを運営する「fermata」(東京)の実店舗だ。
フェムテックとは、女性(female)と技術(technology)を組み合わせた造語だ。2012年頃から欧米を中心に言われはじめたという。生理や妊娠・出産、更年期障害、性の問題などの悩みをテクノロジーやアイデアで解決し、女性の生活を応援する。ヘルスケアブームも相まって市場が広がり、25年には世界で5兆円の規模になるとみられる。日本では生理や性の問題を積極的に話す風潮が広がったことも、市場を後押しする。fermata社員のエスコラ茜さんはこう話す。
「20、30代の女性が仕事帰りに寄ってくれることが多いですが、10代も友達同士で来てくれます。何を売っている店なのか知らずにふらっと入って、『へえ、こういう商品もあるんだ』という感じのカップルもいます」
店舗は「実際にフェムテック商品を手に取ってみたい」という声に応え、今年の7月28日にオープンした。安全性が確認されている、おしゃれで使いやすいなど、こだわりをもった商品を販売する。
たとえば、骨盤底筋を鍛える「膣トレ」グッズの「エルビートレイナー」は、スマホと連動。装置を膣内に入れて、膣内の筋肉をキュッとさせると、内蔵されたセンサーが動きを感知。力の入れ具合を教えてくれたり、「あと5回」などと励ましてくれたりもする。