11月12日発売の『週刊文春』で、歌手でタレントの近藤真彦が年下の女性社長と「不倫ゴルフ旅行」をしていたことが報じられた。大物芸能人の不倫ネタという格好の題材であるにもかかわらず、ワイドショーやスポーツ紙などの大手メディアはこれに対して後追い報道を一切していなかった。
この空気を打ち破ったのが、11月15日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ)に出演したダウンタウンの松本人志である。松本は、この話題についてほかの番組が一切触れないのが不自然であると主張。そうやって大手メディアがスルーすることによって、ひいては近藤の所属事務所であるジャニーズ事務所が悪いイメージを付けられて損をしているのではないか、と語った。
『ワイドナショー』は生放送ではないため、制作者は松本のこの発言をカットしようと思えばカットすることもできたはずだ。これをカットせずに流したのは英断であり、そこに作り手の葛藤と覚悟が垣間見えた。
この番組では、出演者が話しているテーマを画面端に常に表示しているのだが、近藤の話題のときだけは何も表示されていなかった。ここにも制作者と松本の間のギリギリのせめぎ合いを感じることができる。
松本はこの話題に触れるとき、自分は近藤のこともジャニーズ事務所のことも嫌いではない、とわざわざ断りを入れていた。それでも彼がこの話をしたかった背景には、すでに収録済みでオンエアを控えた『ダウンタウンなう』(フジテレビ)で、近藤がゲストとして出演していたことがあるのだという。
その番組は不倫報道が出る前に収録されたため、松本含む出演者はそのことに一切触れていなかった。それが今後放送されるときに、そのことを突っ込んでいないことに違和感を持たれたくない、という気持ちがあったのだ。
その後、17日未明にジャニーズ事務所は公式サイトにて、近藤に無期限の芸能活動自粛処分を下したことを発表した。これを受けて、各局のワイドショーも一斉にこのニュースを取り上げた。