昨年に引き続き、巨人とソフトバンクの対戦となったプロ野球日本シリーズが11月21日、開幕した。巨人は、今季開幕13連勝を飾ったエースの菅野智之に初戦を託したが、6回6安打4失点でまさかの降板。打線もソフトバンク投手陣の前に4安打、8残塁。最終回に1アウト満塁のチャンスは作ったものの、ウィーラーの犠牲フライで1点を返すのがやっと。1-5でソフトバンクに敗れ、これで2013年第7戦から日本シリーズは6連敗となった。
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対するソフトバンクは、投手タイトル3冠の千賀滉大が巨人打線を7回無失点に抑え、打線では5番・栗原陵矢が3安打4打点と大暴れ。パ・リーグ盗塁王の1番・周東佑京が日本シリーズ初盗塁を決め、2番・中村晃がダメ押しとなる適時打を放つなど、危なげない試合展開で巨人に力の差を見せつけ、2018年の第3戦から続く日本シリーズの連勝を9にのばし、プロ野球新記録を樹立した。
巨人ファンの中には、昨年の日本シリーズ4連敗という悪夢を思い出した人も少なくないだろう。SNSなどでは「菅野でも勝てないのか」「また4タテか」など、もはや諦めムードのようなコメントも目立っていた。
ソフトバンクの投手陣を打ち崩すのは簡単なことではないが、この日、少なからずチャンスはあった。
前述した最終回もそうだが、特に大きかったのは4回だろう。
この回の千賀は、あきらかにコントロールに苦しんでいた。まっすぐにバラつきがあり、ストライクが入らず3番・坂本勇人、4番・岡本和真に連続で四球を与えた。
ノーアウト1、2塁で、次のバッターは5番・丸佳浩。千賀との対戦成績は、この試合前まで7打数4安打、打率.571と相性も良かった。
しかし、丸はノーストライク2ボールから低めのボール球に手を出し、まさかのショートゴロ併殺打であっけなくチャンスをつぶしてしまった。せめて凡打でも進塁打にさえしてくれていたら、流れは巨人にきていたかもしれない。