2008年に日本での発売が開始された学習マンガ『科学漫画サバイバル』シリーズが、今年秋に累計1000万部を突破した。
【水野先生もお気に入りだという『ゴミの島のサバイバル』の見開きはこちら】
次々と襲い掛かるピンチに、主人公の子どもたちが勇気と知恵で立ち向かう「生き残り」=サバイバルがテーマの科学漫画。これまで「新型ウイルス」「人体」「異常気象」「AI」「ゴミの島」など、身近で幅広い45のテーマを取扱い、12月には最新刊『超高層ビルのサバイバル1』も発売される。
さらに今年は映画「人体のサバイバル!」の公開まで実現。タイトル通りこの世界をサバイバルし続け、人気シリーズの座を不動のものとしている。一体なぜここまで子どもの心をひきつ続けることができたのか、1000万部突破にお祝いコメントを寄せた著名人3人のインタビューから探る。1回目は「くまモン」などを手がけたクリエイティブディレクター・水野学さんに聞く。
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水野さんの小学生の子どもは、『科学漫画サバイバル』シリーズの大ファンだ。全巻買いそろえ、低学年の頃は、外出時に必ず3~4冊持って出かけていたという。
「息子が理科好きになったのは、間違いなく『サバイバル』のおかげですね」
特にお気に入りなのは、未知のウイルスとの戦いを描いた『新型ウイルスのサバイバル(1、2)』と、海洋汚染問題を扱った『ゴミの島のサバイバル』。サバイバルを通じて環境問題にも興味が広がり、関連する新聞記事なども読むようになった。
「台風が来たときに『なんで台風ができるのか教えて』と聞いたら、『台風のサバイバル』を本棚から引っ張り出して、詳しく解説してくれたこともあります」
『科学漫画サバイバル』シリーズは、「読むたびに違う面白さを見つけられる」と水野さんは語る。シリーズでは共通して、子どもたちが様々な危機に陥り、そこから知恵と決断力で生き残りをはかっていくマンガがメインのコンテンツだ。ストーリーのなかに、テーマに沿った知識が織り込まれていて、さらに詳しい解説がコラムとして掲載されている。