地道な努力が実り、苦手だった数学は気づけば一番の得意科目に。本番の試験でも十二分に実力を発揮し、「多分、満点に近い点が取れたと思う」と鷲見さん。
「私は自宅にいるとどうしても気が散ってしまうタイプなので、毎日のように塾へ行って勉強する方法を選びました。自宅学習とか映像視聴とか、受験勉強の方法はいろいろありますが、まずは自分に合った方法を見つけることが大切だと思います。あとは大学ごとの対策も絶対に必要です。私は私立大学の対策を一切しなかったので、滑り止めは全部落ちてすごく焦りましたから」
■現在も交流が続く大学時代の友人たち
学生時代は大学近くの岐阜県学生会館に入居し、授業以外にも、学内でフリーペーパーを発行するサークル活動、映画館でのアルバイトと、充実した日々を送った。
アナウンサーを志したのは大学2年生のとき。母の勧めでアナウンススクールに通ったことが、きっかけだった。
「初めは局アナが会社員ということすら知らなかったんですが、スクールに通うなかで、アナウンサーの仕事への興味が湧いてきたんです。今は毎日本当に貴重な経験をさせていただいていますが、当時の私はこんな未来が来ることを想像すらしていませんでした。あのころ思い描いていたよりずっと充実した日々を送れていることに、感謝しています」
一般教養科目の選択肢が多い同大学で、音楽や映像、美術、プログラミングなど幅広い分野に触れた経験は、さまざまな人と会い、話をする機会が多い今の仕事でも大いに役立っているという。
入学式の日に鷲見さんが話しかけたことで親しくなった友人とは、今も交流が続いているそうだ。
「つい先日も、仲の良い友達5人で大学のキャンパスに遊びに行って、学生時代と同じ場所で写真を撮ってきました。大学で過ごした4年間も、友人たちとのつながりも、私の人生にとってかけがえのない財産となっています」
鷲見玲奈(すみ・れいな)
1990年、岐阜県生まれ。首都大学東京(現・東京都立大学)都市教養学部都市教養学科経営学系卒業。2020年3月、テレビ東京を退社、フリーアナウンサーに。
(文/木下昌子)
※AERAムック『国公立大学by AERA 2021』より抜粋