フリーアナウンサー鷲見玲奈さんは、高校卒業後に岐阜県から上京し、首都大学東京(現・東京都立大学)に入学した。現在発売中の『国公立大学by AERA 2021』(朝日新聞出版)で、自身の経験を振り返ってもらいつつ、受験生へのアドバイスを聞いた。
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「高校入学時から、志望校は国公立一本。兄と弟がいる3人きょうだいなので、学費の面からも『大学に行くならば、国公立限定』と、父から言われていたんです」
そう語る鷲見玲奈さんは、首都大学東京(現・東京都立大学)都市教養学部都市教養学科経営学系の出身。今年3月にテレビ東京を退社し、現在はフリーアナウンサーとして多方面で活躍している。
志望校は、昔からの憧れだった東京の大学から選んだ。首都大学東京は、自分の学力に合っていただけでなく、オープンキャンパスで訪れたときに雰囲気も気に入って第一志望に決めた。八王子市の広大な敷地に立つ同大学の南大沢キャンパスは、多摩丘陵の自然とモダンな校舎のコントラストが印象的で、ドラマやミュージックビデオなどのロケ地に使われることも多いという。
「とにかくきれいなキャンパスで、ここなら映画に出てくるような大学生活が送れそう、って思いました。周辺環境や校内の雰囲気は写真だけではわかりませんから、志望校を決める前に実際に行って、自分の目で見ておくのがオススメです」
■苦手だった数学が得意科目になった理由
高校は県立の進学校で、名古屋大学をめざす同級生が多かった。授業の進度が速く、数学の授業に追いつけなくなったため、高校1年生の途中からは地元の“超スパルタ”塾へ通うことに。小学校時代はサッカーチームに所属し、全国大会に出場した経験もある鷲見さんだが、「先生がとにかく厳しくて……。メンタルが鍛えられたのは、サッカーより塾での経験のほうが大きいかもしれません(笑)」と振り返る。
「とはいえ、厳しさのなかに温かさもあって、生徒からは慕われる先生でしたね。難しい問題でも簡単にヒントをくれず、『これまでやったことを応用して解いてみろ!』と、突き放されるんです。そのおかげで、最初はわからなくても、自分の頭で考えて、解法がひらめく瞬間の楽しさを知ることができました」