週刊朝日 2023年2月10日号より
週刊朝日 2023年2月10日号より

■ぎんなん女子部 真面目でお堅い“東大女子”のイメージを覆す

東大女子”をうたう「ぎんなん女子部」は、なのちゃんさん、みなみんとんさん、えりかさん、りこぴんさんからなる4人組。2019年に動画投稿を始め、高校生らに向けた受験勉強法のアドバイスを中心に動画を投稿している。大学生活や高校時代の過ごし方も紹介し、“東大女子の素顔”が見られるのが魅力だ。グループ名の「ぎんなん」は、銀杏の葉を用いた東大マークや安田講堂前の銀杏並木から着想を得た。

「落ちているぎんなんを見て、語感もいいと思って付けました。由来はなかなか伝わりませんが、一応『東大』を意識したネーミングなんです」(なのちゃんさん)

 4人は学内のアイドルコピーダンスサークル「東大娘。」で出会った。グループ一の行動派のなのちゃんさんが「面白そうだったから」という理由で、メンバーに声をかけ結成された。

「東大女子というと真面目でお堅いイメージで見られがちですが、そんなことはなく、むしろ型にはまらない人や面白い人が多いんです。そうした“顔”を画面の向こうに届けられたら」

 みなみんとんさんはこう話す。

「東大女子はみな好奇心旺盛で、人間的に面白いし、知識は豊富だし、いい意味で変な人が多い。世間でのいわゆるがり勉的なイメージにとらわれずに、自分たちの魅力が伝わればいいなと思っています」

 東大は学生の女子比率が低いことでも知られる。「東大女子というレアさ」(みなみんとんさん)はYouTuberとしての強みだが、夢をこう語る。

「私たちの動画を見て、こんな人たちがいるんだと関心を持ってもらって、女子の入学が増えたらうれしいし、在学生にも居心地よく過ごしてもらいたい」

 19年の初投稿以降、再生回数の向上を図って試行錯誤してきたが、炎上も経験した。

「私大生と共演した企画動画で、傲慢な態度をとっていると誤解されてしまったことがあります。あくまで企画のネタで、そうした意図はなかったのですが、SNSの運用を学ぶ機会にもなっています」(えりかさん)

 東大を卒業した4人は今、それぞれ別の道を進む。なのちゃんさんは法学部を卒業後、児童精神科医になる夢を追いかけ、別の大学の医学部に編入した。みなみんとんさんは社会人として日々研鑽を積み、えりかさんとりこぴんさんは東大の大学院に進み、それぞれ薬学と農学を学んでいる。ただ、YouTuberとして活動は続けるようだ。

「高校生は受験勉強の仕方のほかにも、世の中にどれほど多くの職業があるかもよくわからないと思う。私自身、勉強が得意な人が就く職業は、医者と弁護士しか知らなかった。今後はいろんな職種の人のインタビューなど、職業紹介動画を高校生たちに届けられたらいいなと思案中です」(なのちゃんさん)

 最後にメンバーは笑顔でこう話した。

「動画投稿は長く続けたい。東大卒おばあちゃんYouTuberもありだと思っています!」

(本誌・松岡瑛理、秦正理)

週刊朝日  2023年2月10日号

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